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高岡支部

杉江 幸宏 会員

杉江 幸宏(2012年入会・高岡支部

杉江 幸宏
株式会社高岡ケージ工業 代表取締役社長

933-0022 富山県高岡市内島47

TEL: 0766-31-1007 / FAX: 0766-31-3878

業種: 金属製線材加工、各種金網、メッシュフェンス・店舗用什器の設計製造販売

社員にだけ成長を求めていませんか?会社成長のカギは社員と経営者の”共育ち”

事務局が企業訪問してきました

高岡支部 株式会社高岡ケージ工業 代表取締役社長 杉江幸宏さんにお話を伺いました。
2012年に同友会へ入会された杉江さんは、親しくしている経営者の方から、同友会の社員教育研修を勧められたことが入会のきっかけだったそうです。


同友会の社員教育研修に参加して

弊社は昭和52年に創業し、エクステリアや建築資材などに用いられる溶接金網(ワイヤーメッシュ)や、店舗用什器 や動物飼育用ケージなどの金網・線材加工品を製造している会社です。

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製造業の仕事はモノづくりならではの楽しさややりがいはありますが、なかなか社員達が外に出る機会が少ないのが悩みでした。自分達の仕事が外(社会)とどんな風につながっているのかがイメージし難いため、取引先のメーカーさんからの意見を社員に伝えても、あまり手応えが無かったんです。

「社員達にもう少し外に向けた意識を持ってほしい、そのためには他の会社の方とも話す機会が必要で、技術や実務的なことだけ学んでいてはダメだ」と思っていた時、同じ製造業の(株)コージン 小柴社長に同友会を勧められました。

それで、同友会共育委員会が主催する社員研修に参加したいという目的で入会したわけですが、初めて社員と参加した「中堅社員研修」で、自分自身の思い違いに気付かされました。他社の受講生は若い方から年配の方まで様々で、私は「中堅社員」という立場をただ勤続年数や年齢だけで判断していたのですが、経営者が中堅という立場の「役割」を明確にしているかどうかが大切だと学びました。

育てる側がどういう意識で関わるかが問われる

研修で学んだことを仕事で実践し、何かひとつでも気づきがあったらいいなと思います。社員達が研修で立てた目標をもとに、私や上司は「最近どうや~?」という話をしています。毎日毎週というわけにはいきませんが、最低半年ぐらいの期間で振り返る機会を設け、私達確認する側も、目標に対して出来たか出来ていないかの確認だけではなく、目標に向かって何かしら工夫していることをなるべく多く見つけるように心がけています。

といっても、社員の中でやっぱり温度差はあります。やらされ感のある社員はおりますよ。私は最低限のことしかやっていませんが、せっかく研修に参加したのに、意識をもって実践しなかったらもったいない。研修にかかる費用を出すのはもちろん会社ですが、それでも社員達はせっかくの自分の時間を使って参加しているわけですから。受講してすぐに変わるものではないですが、時間がたってからわかることもあると思います。本人の意識の差で、実力の差はどんどん開いていってしまいます。

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弊社はずっと定着率が高かったのですが、実は最近若い社員の離職があってショックを受けました。

同友会の研修は、社員だけが参加するのではなく、経営者・上司も一緒に参加することが特徴ですが、参加した経営者同士、日々の社員教育についてお話する中で、やっぱり社員教育プログラムがある会社は伸びるんだなぁと実感しています。

少人数の会社で、いつも社長と社員の会話があるところは日常的に振り返りができますが、ある程度の人数になるとなかなか社長の目が届かないのが現状だと思います。弊社は社員数50名程ですが、課によって日常的なコミュニケーションがとれているところとそうでないところもありますし、それが現在の課題です。

働くことを通じて、一人前の社会人になってもらいたい

新入社員研修に参加していて、年々我慢ができない人が増えているのでは、と感じることがあります。目の前の困難が山のような大きさに見えても、時間が経って振り返れば小石のようなものだったということはよくある。そういうことを若い人達に伝えていきたいですね。とにかくまずは3年間がんばってみてほしいです。3年もたたないうちに、「この仕事は自分には合わない」なんて考えるのは他の人に失礼なこと。どんな仕事に就きたいか、どの会社に就職するか、全て自分で決めたことですから、自分で決めたことに責任を持つことは、社会人として最も大切なことです。

時代背景が変わっているので終身雇用という言葉はもう無くなるのかもしれませんが、うちの会社に入ってくれた社員達には「一人前の社会人になってもらいたい」という思いで向き合っています。人生と仕事を同じ軸で考えてほしいので、社員達にはライフプランを考えてもらっています。

社員に夢を描かせておいて、じゃあ雇用する側は?となると、やはり経営者の仕事として、給料のベースアップを目指していかなければなりません。私だって立場変われば、1円でも多く給料をもらいたいのが本音です。そこが出来ていないと、社員にエラそうなことは言えませんからね(笑)「社長こそ、やることやれてないじゃないですかー」と言われないようにがんばらないと!

新しいことに挑戦するためには組織の力が必要

私はどちらかと言うと理想論は苦手な性分でして、「社員は何のために働くか」という問いにも、基本的には自分達の生活基盤を支えるためだと考えています。どんな企業でも「地域のために!」なんて思って働いている社員さんは、ほとんどいないのではないでしょうか。理想論を口で説くのではなく、誰にでもわかる形で見せる姿勢が大切だと思います。例えば、弊社には経営理念や行動指針もありますが、入社したばかりの社員にもちゃんと伝わるように、会社方針をみんなで唱和しています。会社方針に沿った行動を積み重ねていくことで、理念に掲げている「理想の姿」に近づいていくのだと思います。

長く働いてくれている社員も多いですが、その理由はと聞かれると・・・うーん、なんででしょう?恥ずかしくて社員に聞いたことはないです。けして給料が高い方ではないんですが、わりと社内はアットホームで話しやすい雰囲気だとは思います。先ほども言った通り、まだまだ社全体がそうではないですけど。

平成9年ぐらいから、メインの仕事が変わってきました。変わっていく過程の中で、新しい製品が売れて数字的にも好調だったことから、私達にも攻めの姿勢が取れるんだという自信が持てました。ですが、新しいチャレンジにはやはり組織の力が必要です。当時、社長以下全部横並びの組織だったところから、若い人達にも役割をもってもらい、責任分担をはっきりとさせることで、組織立って動けるように少しづつ変えてきています。

組織の見直しと共に、管理手法も見直しています。管理職の役割が明確になった分、個人個人のスキルアップがより大切になってきました。役割と責任が与えられて、モチベーションが上がった人もいれば、そうでない人もいます。それに、一人親方タイプや協働タイプなど色んな人がおりますので、その人に合った関わり方を考えていく必要があります。

製造業ですので、管理職に対して部下への技術承継は当然求められることなのですが、彼らには技術的なところ以外で「人を育てる人」になっていってもらいたいです。例えば、弊社では1枚幅2mのフェンスを、1ヶ月に約6万枚製造しているのですが、距離にして120kmにもなり、私達が作った製品が全国のどこかで誰かの役に立っているということを部下たちに伝えることができれば、自然と「私達は日本で1番いいものをつくるんだ」という意識、プライドが育まれてくるのではないでしょうか。

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経営者が社員とともに成長していかなければ、会社は成長しない

率直に言って社員教育というのは、「どこに出しても恥ずかしくない人づくり」だと考えます。先ほども言ったように、「一人前の社会人になってもらいたい」という思いが、私の社員教育の原点です。社員にとって生活基盤を支えるための仕事であっても、そこで人として学ぶことが多い会社の方が絶対良いですよね。会社を辞めるときに、「高岡ケージ工業で働けてよかったな」と思ってもらえることが最終目標です。そして、社員達が会社の将来をわくわくしながら考えられるように、経営理念や会社の中長期ビジョンが絵に描いた餅にならないように、私は経営者としてやるべきことをしっかりと取り組んでいきたいと思います。

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同友会の社員教育研修に、まずは参加してみることをお勧めします。それから、ひとつの研修に出て終わりじゃなくて、新入社員研修に参加したら、次はチャレンジリーダー研修、中堅社員研修というように、一通りやってみることが大切です。

私自身、最初は中堅社員という言葉の意味を単なる年齢的なものとしてしかとらえていなかったように、色々な気づきがありますし、研修に参加している他の経営者とお話しする中で、自社でも取り入れてみたいと思うことをたくさん教えてもらえます。

時代が変わって、若い社員の考え方は大きく変化しています。だからこそ、経営者が変わらなければならないと思います。同友会ではよく「共に育つ」といいますが、そういうことなんですよね。若い人から教えてもらうことも多いです。私達経営者が社員とともに成長していかなければ、会社は成長しないのです。

(訪問日:2019年2月27日 文:事務局 河崎)

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