同友会トップ » 会員紹介 » 新川支部 » 濱田 賢 会員

新川支部

濱田 賢 会員

濱田 賢(2018年入会・新川支部

濱田 賢
株式会社延楽 専務取締役

〒938-0282 黒部市宇奈月温泉347-1

TEL: 0765-62-1211 / FAX: 0765-62-1076

業種: 旅館サービス業

旅館という舞台で、スタッフみんなが最高に輝くために

事務局が企業訪問してきました

富山同友会青年部会には40歳までの若き経営者、次世代を担う後継者や幹部社員の方が所属されています。
「同友会の青年部会ってどんな活動をしているの?」「どんな人たちが参加しているの?」という質問にお答えして、青年部会で活躍されるリーダー達をご紹介していきたいと思います!

株式会社延楽 専務取締役 濱田賢さん(新川支部/青年部所属)にお話しを伺いました。 
黒部宇奈月温泉郷にある延楽は、創業昭和12年、過去には皇室の方もお泊りになったという、伝統と格式ある温泉旅館です。
濱田さんはご結婚を機に東京から黒部宇奈月へ。以前は全く違う分野のお仕事に携わっておられたそうですが、異業種で培った経験を活かし、温泉郷に新たな風を吹き込むべく奮闘中です。
s-外観.jpg

前職はどんなお仕事を?

私はここへ来る前東京におりまして、東京で最初に選んだ仕事は映像制作でした。
その仕事が面白すぎてすっかりのめり込み、そのうち会社の先輩と一緒に独立し、会社を立ち上げました。その会社では、企業の社員教育や安全管理マニュアルを映像化したり、ドラマ仕立てにしたり、ということをやっていました。映像制作の仕事は奥が深く、たくさんの人と関わりながら、答えの無いものを手探りで創り上げていく過程がたまらなく楽しいんですよ。

職業も住むところも変わることに不安はありましたか?

2015年北陸新幹線開業の年に宇奈月に引っ越してきました。妻が年末年始実家に帰る度、電話をかけてきては「宇奈月の素晴らしさ」を刷り込まれていたので(笑)ここに来る以前から宇奈月のことは大好きです。私は大阪で生まれ、東京で育ったのですが、母親が福井県出身のため、もともと北陸には親近感がありました。
18歳の時に妻と出会って、彼女が温泉旅館の娘だと聞いたときから、なんとなくずっと意識はしていました。ただ、30代になってますます映像制作の仕事が面白くなり、大手クライアントからの依頼も増え順調だったので、それだけに正直なところ「この仕事をもっとやってみたい」という気持ちは確かにありました。
それでも結婚する前には旅館業を継ぐと決めていたのですが、新婚旅行でフランスに行ったことがきっかけで、本当の覚悟が決まったと思います。
なぜかというと、フランスの歴史ある美術や建物、それらが連なってできる景観を目の前にした時に、「それまでの自分の仕事は表面的なものを追求してはいなかったか、自分の仕事はただのモノマネなんじゃないか」という思いがよぎり、「フランスの景観のようにもっと本質的なものに触れたい、もっと本質的なものを追求したい」という気持ちが自然と湧いてきて、日本の文化を守る旅館業の素晴らしさを強烈に痛感したからです。まさしくフランスに背中を押してもらいました。
s-外観2.jpg
映像制作会社を辞めて、旅行会社に2年間務めました。畑違いの仕事を経験して感じたのは、映像も旅も、クライアントのニーズを解決するひとつのツールに過ぎないということです。私にとって、ニーズ解決手段が映像であるか旅であるかということは、そんなに大きな違いではなかったということに気が付きました。
旅行会社にとって一番の営業先は、大企業の社員旅行です。いち映像マンから、いきなり大企業のトップと直接会える機会に恵まれたことはとても貴重な体験でした。それに、それまで個人技で仕事をしてきたので、組織で動くというチームプレーの面白さも学びました。
その会社は朝から理念やクレドをみんなで唱和するんです。最初は嫌々でしたけど、嫌々でも続けているうちに、いつのまにか習慣になっていました。習慣にはなっても「何のために」唱和するかまでは考えたことがなかったのですが、昨年同友会に入会し、新川支部主催の「指針入門~経営理念をつくろう!」を受講して、ようやくその目的がわかりました。

旅館業の世界に飛び込んでみて、どんなことを感じましたか?

私は現在、労務管理、事務全般、接客、営業などなど、料理出し以外はほぼ携わっております。
もちろん入社してすぐは、布団の上げ下げなど、裏方の仕事からのスタートです。もともと現場仕事は大好き!それに、オリエンタルランドや「新幹線劇場」で知られる新幹線清掃チームのように、バックヤードはとてもクリエイティブな仕事だと思っています。
旅館の仕事を始めて、縁の下の力持ちの存在がいかに大切かを学びました。通常、旅館やホテルはフロント等の接客最前線のスタッフの教育に力を入れるケースが多いのですが、当社はバックヤードの仕事に携わる方にこそ、力を伸ばす研修に積極的に参加してもらいたいと考えています。
入社した当時は、新幹線開業にともないお客様が急増し、休む間も無いほど忙しい時期でした。現在は当時の忙しさに比べ少し落ち着いてきてはいますが、今こそ会社の中身を強くしていく時期ととらえています。
s-フロント.jpg

現在の課題は何ですか?

同友会に入会し、会社や地域に対して、とても真面目に考えるようになったと思います。同友会は本気な人ばかり。ですが意外とみなさんと悩みが近かったことに少しほっとしたところもあります。やはり人づくり、地域づくり、という点は会社を経営していく上でとても大事なことなんですね。
一番の課題だととらえているのは人づくり・社員教育です。同友会の皆さんは「社員の成長が会社の成長」とおっしゃいますが、その言葉が私にはとてもしっくりくるんです。特に接客業ですから、なおさらでしょうね。
社員一人一人のモチベーションは何かと考えると、お金ももちろん大事ですが、「自分自身の成長が感じられる」ということが重要だと思います。社員にとって「学べる場」としての企業でありたいなと思っています。
旅館の仕事は、人生経験がそのまま生かされる仕事なので、定年後からも輝ける舞台として、年配の方もたくさん働いてくださっています。もちろん頼もしい若手もおりますよ!さっきも、最近アルバイトで働きにきてくれている17歳の方と、人生についてじっくり話していたところです(笑)また、19歳の方は、お客様から「ここの温泉に入ったらあなたみたいな肌になれるの?」とおっしゃっていただけるくらいの美肌の持ち主で、普段は寡黙でもここぞ!という時にしっかりと自分の意見を言ってくれます。かつて4万軒あった旅館が、ここ5年で3万軒にまで減ってしまったと聞きました。業界的に右肩下がりであっても、自分達が変わっていくことで、事業を継続していきたいと思っています。
最近はやはり年配のお客様が多くなっておりますが、その中でも当社は3世代旅行でよくご利用くださるのが特徴です。当社を選んでくださった理由に「おじいちゃん・おばあちゃんが延楽に行きたいと言うので」とおっしゃって頂けるのはとても嬉しいです。また、海外からのお客様が宿泊された時、プロポーズされた方がいらっしゃいました。当社を人生の大切な節目に利用して下さって、とても嬉しかったですね。
s-取材中.jpg

これからの挑戦について教えてください

旅館業はまさに地域に生かされていると感じます。だからこそ、事業を通して地域貢献していきたいです。当社もおかげさまで歴史が長く、その看板を背負っていると、良い意味でも悪い意味でもブランディングに対して二の足を踏んでしまうところがあります。培ってきた歴史はそのままに、それとは別に新しいこともやっていきたい。
そういういった経緯から、昨年、一般社団法人宇奈月研究会を立ち上げました。そこで取り組んでいるのが、映画上映会です。これは、温泉という観光資源をもっと生かす方法があるのではと考え、「宇奈月温泉ソーシャルシネマトリップ」と題し企画しています。映画ラインナップはSDGsなど社会派のテーマが多いのですが、映画を観て、参加者同士テーマについて一緒に考える。それが習慣になっていけばいいなと思っています。
s-取材中2.jpg
黒部宇奈月の中で、まだ紹介できていない観光資源はもっともっとあると思うんです。ぶらっと歩いているだけでも、突っ込みどころ満載の町なので(笑)例えば、観光案内の看板が、経年劣化が進んでいてほとんど何が書いてあるかわからないとか、そういうちょっと笑えてほっこりする要素ってとても大事なんです。おそらく、こういうマニアックな視点は映像制作に携わっている中で身についたものですね。県外から来られたお客様にとっては素晴らしい観光資源なのに、地元の方が案外気が付いていないということも多いと思います。地域資源の掘り起こしも会社の役割として、取り組んでいきたいです。
目指すリーダー像は、タレント事務所のマネージャーさんや、プロデューサーさんです。その人が持っている魅力をいかに引き出すかに力を注いでいきたいです。映像制作の現場でも、演者さん達がいかに気持ち良く舞台に立ってもらうことに生きがいを感じていました。今は、旅館という「非日常の世界」が舞台です。個性派揃いのスタッフみんなが、最高に輝く舞台づくりに挑戦していきたいです。
(訪問日:2019年10月8日 文:事務局 河崎)
県内500社以上、全国45,000社の経営者と一緒に学んでみませんか?
経営者や経営に携わる方、これから経営者になる方、個人事業主各種専門家 経営に関わる方ならどなたでも参加できます!
お気軽にご相談、お問い合わせください!

中小企業家同友会は経営に携わる方、これから経営に携わる方なら事業の規模を問わず誰でも参加できます。まずは「同友会ってどうゆう会?」の疑問を直接ご相談ください。

入会のご相談・ご不明な点はお気軽に同友会事務局まで

076-452-6006〒930-0827 富山県富山市上飯野25
営業時間 9:00〜18:00(土・日・祝を除く)
中小企業同友会 DOYU NET 全国の会員企業がわかる 同友会会員検索 JobNet 中小企業同友会就職情報サイト となみ野支部 ビジネス交流委員会 同友会活動支援システム
PAGETOP