全県行事
富大生19名も参加、4期目を迎えた戦略的経営塾
アクションプランシートで1年後の目標を宣言
10月5日県民会館にて富山同友会員有志で運営されている、「第3回戦略的経営塾」が開催され、塾生(会員および幹部社員)17名と富山大学生19名を含む38名が参加しました。
同塾は富山大学経済学部の内田康郎教授(経営戦略論)をアドバイザーに迎え、今期で4期目を数えます。塾生は1年後に到達したい目標(収穫物)を各自で設定し、それを達成するための戦略ストーリーを描きます。そして1ヶ月単位で取り組む事柄をアクションプランシートで宣言し、隔月で行われる全体会でその進捗状況を発表、出来たこと、出来なかったこと、その原因と課題について相互にチェックしあうスタイルで行われています。さらに全体会の合間には小グループ会を開催し、塾生同士がアドバイスし次の行動を促し合っています。
どんな人だったら社員として採用したいですか?
今回、富山大学2〜4年生19名が参加しましたが、これは9月25、26日に同大学で開催された特殊講義「地域企業の競争戦略」に塾生4名が講師として自社事例を報告、これに強い関心を持った19名が今回の同塾参加を希望して実現したものです。
当日は17名の塾生がこの2ヶ月で取り組んだ結果を報告し、内田先生をはじめ他の塾生がそれに対し質問や意見、アドバイスを送りました。その後、学生からの質問に答えるという形式で塾生と学生による意見交換を行いました。中には「どんな人だったら社員として採用したいと思いますか?」、「社長業は儲かりますか?」といったドキッとする質問もあり、塾生も自身の思いを精一杯伝えました。
参加者の声
アドバイザー 富山大学経済学部 内田康郎教授
4期目を迎えて私が最もうれしいのは、自社の戦略についてのシナリオやストーリーを考え、実際に取り組む方が増えているということです。いまやっていること、つまり目先の課題を解決することも経営者の仕事ですが、一方で大切なことは、大きな視点でこの会社をどうしていくか、自社の戦略シナリオやストーリーを考えることだと思います。今回のアクションプランシートに関しても1年後に得たい収穫物に対し今どうするかを考える訳で、発想の転換、戦略ストーリー構築に大いに役立つ内容になっています。
(9月の特別講義から今回19名の学生が参加したが・・)講義した方はさらに責任感を持たなければならないということでとても熱心な報告が多かったように思います。実社会を経験していない学生に話す訳ですから、すこしでもわかりやすく自社や業界を伝える必要があります。その努力は戦略塾の中にいる我々にとっても、さらにその会社をより深く知ることができるという点で好影響をもたらします。
また学生にとっては、教科書の勉強ではなく生きた話を聞けます。経営学ではケーススタディーが大切ですが、20社いれば20社のケースがありますからものすごく勉強になると思います。経営者にとっても、学生にとっても、特別講義や戦略的経営塾といった学びと交流の場を持つことはたいへん大きな意味があると感じています。
富山大学経済学部3年 梅田貴大さん
9月の特殊講義「地域企業の競争戦略」は通常の授業では聞けない実践的な内容でした。実際に中小企業の経営者の方々が抱える問題や課題、その解決策などを聞くことが出来て非常に良かったです。今回、参加を希望した理由は、今後自分たちも就職し企業に入っていくわけで、中小企業の経営者はこれからの時代をどう読み、対応しようとしておられるのか、具体的な戦略を含めて是非聞いてみたいと考えたからです。楽しみにしています。(開会前にインタビュー)
戦略的経営塾副塾長 田村彰英氏((株)田村製作所 専務取締役)
戦略的経営塾の面白さは、自分の行動を自分で決めて計画し実践して成果を出すところです。単発の学びではなく、毎月グループ会があり、隔月で全体会があって必ず見直すことが出来る。そこに塾生同士のチェックが入りますから、後回しにしたり勝手に諦めたりすることは出来ません(笑)
ですから行動しようという意欲も持続しますし、結果として前に進んでいるという実感が持てます。塾生同士、お互いのやっていることもはっきり見えますから、がんばっている人を何とか応援しようという気持ちもどんどん大きくなりますね。