高岡支部
天野 修一 会員
天野 修一(1999年入会・高岡支部)
新しい伝統の創造に挑戦
事務局が企業訪問してきました
高岡支部西グループ会が主催する、第1回目の会員訪問に参加しました。
訪問先は、高岡市川原本町にある天野屋蒲鉾店 代表 天野修一さんです。
天野さんは会歴19年で呉西支部(現:高岡支部)の幹事長や全県の政策委員長などを務められ、
いつもニコニコ穏やかで、ここぞ!という時にはするどい指摘をいただけるベテラン会員さんです。
地史にもお詳しく、今は道路になっているところに大きな川があり、船着き場として海産物を干したり
加工したりする場所だったことを教えてくださいました。
<灯台としてつかわれていた恵比寿塔。船着き場だった当時を思わせます>
小グループ活動を活発にし、会員の顔が見える活動を!という支部方針により始まった地区グループごとの会員訪問。今年度初回にも関わらず11名の参加ということで幸先の良いスタートです。西グループのリーダー、相互企画印刷(株) 代表取締役 柳澤剣治さんの挨拶で始まりました。
その後、天野さんから会社概要やこれまでのあゆみを簡単に教えていただきました。
「当社の創業は大正初期なので、おかげさまで100年企業です。この店舗兼工場は2016年に新築移転しました。私が23歳で急遽家業を継ぐことになった頃には高岡に12~3軒あった蒲鉾店も、今は6軒ほどになりました。引き出物用の細工蒲鉾がうちの主軸商品なので、時代の変化によって売り上げは変わってきていますが、時代の変化はチャンスととらえています。商標登録に挑戦したり、ネットショップを仲間と立ち上げ、ネットショップ経由で、県外に嫁がれる富山県出身の方から細工蒲鉾の注文を頂いたりと、前向きに取り組んでいます。高岡は歴史ある町なので観光客も多く、観光客向けの街歩きイベントで、立ち寄られた方に細工蒲鉾や町の歴史を話してほしいと頼まれたりすることも増えました。」
工場をみんなで拝見!細工蒲鉾がどのようにつくられるのか、材料や道具などを丁寧に教えてくださいました。
同社は職人技が光る細工蒲鉾にこだわり、大量生産はしていません。ひとつひとつ心を込めて作り上げられる工程に、天野さんの人柄が滲み出ているようです。
<富山県民の食卓に欠かせない蒲鉾。知っているようで知らない蒲鉾の世界に皆さん興味津々>
<お店のショーウィンドウに飾られる見本の数々。大きな鯛から小さな鯛、ハートにチューリップも。最近は小さくて可愛いサイズが人気だとか!>
<キャップ姿が似合いすぎる参加者の皆さん(笑)重厚な木の看板に同社の歴史が感じられます>
ただの見学会で終わらないのが高岡支部のすごいところ。
場所を変え、天野さんの経営環境レポートをもとに、さらに踏み込んだ勉強会を行いました。
現在の課題は事業承継。長年培ってきた技術もさることながら、細工蒲鉾の伝統ある文化を後世に伝えたいという強い思いはあるものの、なかなか難しいそうです。東京の有名デパートなどの催事に出展されるなど、富山県の看板を背負ってがんばっておられる天野さん。他県の蒲鉾と富山県の蒲鉾の違いや、今後の展望など、たくさんの意見交換ができました。建築業を営むある参加者の方から「ちょっと蒲鉾屋に興味あります」という、まさかの後継者宣言!?という発言もあったり、大盛り上がり。
帰り際、なんと参加者全員に鯛のかまぼこをプレゼントしてくださった天野さん。
刺身もよし、焼いてマヨネーズもよし、衣をつけてカツにしてもよしという食べ方まで教えていただきましたが、可愛すぎて食べれない!と思ったその夜、きっちり晩酌でいただきました。めちゃくちゃ美味しかったです。
優しい人情がつまった蒲鉾づくり、これからも応援しています!貴重な体験、ありがとうございました。
訪問日:2018年5月29日(火) 文:事務局 河崎
同友会に入ってよかったこと
同友会活動(呉西支部)の中で
高岡市で、個人事業所ですが、魚肉練り製品製造業を営む「天野屋蒲鉾店」、天野修一と申します。富山同友会では現在は、県の政策委員長をしています。政策委員会とは、同友会が掲げる「経営環境をよくしよう」という3つ目の理念を実践課題として取り組む委員会です。
私は、2000年に入会しましたので、呉西支部の中では古いメンバーの中に入ると思います。年も還暦を過ぎ、同級生は、もうリタイヤされた方も聞きますが、まだまだ現役で頑張っています。同友会の仲間からは、いつも経営に対してのヒントやアドバイス、勇気を頂き充実した毎日を過ごしています。同友会の良さは、なんといっても経営者自らの実体験報告、取り組みから色々学べるところにあります。呉西支部でも支部例会の中で、あるいは県事業の中で、全国の素晴らしい経営実践報告が聞け、更にグループ討論を通じ多くの仲間たちとの経営交流が図られます。特に全国的に活躍されている経営体験報告は、圧巻です。同友会でそんな経営者と出会うと、自分も頑張らなくてはという思いにさせられます。特に印象に残っている経営者を上げるとすると岐阜県にある「未来工業」があげられます。今は亡くなられましたが、岐阜の怪物と呼ばれた「山田昭男」氏です。高岡市で講演会を開いた時には、400名以上の参加があり、未来工業には2回も訪問し、昼ごはんも御馳走になりました。
また多くの学びも得られ、特に「商標登録」については、自分も課題として実践することが出来、今年自分のところの商標も10年目の更新をするまでになり、時の経つ早さも実感しています。多くの呉西支部の仲間と共に経営の学び実践を深めることは楽しさもあり、苦しさや悩みも解決できる本当に良い会であると私は思います。