城北支部
桑原 靖夫 会員
桑原 靖夫(2011年入会・城北支部)
〒931-8431 富山市針原中町135-2
TEL: 076-451-2758 / FAX: 076-452-1377
業種: プラスチック成形加工、ベアリング製品検査、配線加工、ゴム製品検査
個性豊かな社員と共に。誰もがいきいきと働ける会社を目指して
事務局が企業訪問してきました
城北支部に2018年度新しく設立された会員訪問グループの記念すべき第1回目の活動は、プラスチック成形加工やベアリング製品検査などを行う(株)桑原 代表取締役 桑原靖夫さんのもとへ訪問させて頂きました。桑原さんは就労継続支援A型事業所 株式会社やらんまいけ富山を含め、全部で4つの事業所を経営されています。2018年度障害者問題部会長に就任し、障害をその人の特性・個性としてとらえ、適材適所、その人に合った仕事を見つけるという「仕事に人を合わせるのではなく、人に仕事を合わせる」経営に全力で取り組んでおられます。
今回参加したのは、事務局の私を含め8名。城北支部会員だけでなく他支部からのご参加もあり、参加した理由をお聞きすると「近々立ち上げる新事業で障害者雇用をしたいと考えているから」「自分も就労支援を行っているので参考にしたいと思って」など様々。
社員の方からの丁寧な指導を受けながら、実際に製品加工を体験されている片境会員。非常に細かな部品をピンセットでセットし機械で加工するという作業なので、集中力と精度とスピードが求められます。みんな息を呑んで見守っています...
上手に加工できると、社員さんからたくさんお褒めの言葉をいただけました。
新潟出身で、もともとご両親が製造業を営んでいましたが、色々なことが積み重なり、大変な苦労をされ、子どもの頃ご家族で富山県に移り住んだ桑原さん。そんな大変な時に働きに来てくれた方が目や足などに障害がある方で、最初は「物づくりは無理だろう...」と思いましたが、誰よりも真面目に取り組み、めきめきと技術を習得された姿を見て、「障害があるから何もできないと思い込んでいた自分が間違っていた」と気が付いたそうです。
ゲームが大好きで目標数字を達成することに人一倍情熱を燃やす社員さんは、信じられないスピードで加工を行っていました。検品は別の社員さんが担当ですが、仕上がりもほぼミスがないそうです。また大量に送られてくるベアリングの部品を、手品のようにクルクルっと束ね、曲がりやミス加工がないかどうかを確認しつつ数えていくという作業も、非常に技術と集中力とスピードが必要ですが、皆さんニコニコと余裕の表情!すごい...
「健常者だからといって何でもできるわけじゃないし、障害があっても真面目に働いて下さる方はたくさんおられます。一度にたくさんのことを考えることが苦手でも、反復作業はものすごく得意だったり、他人としゃべることが苦手でも、どんな細かなミス加工も見逃さなかったり、本当にいろんな特性があるんです。その人の気持ちに寄り添って、合う仕事を考える。そのために新しい仕事を請け負うこともあります。」と桑原さん。『仕事に合わせて社員を育てる』という話はたくさん聞いたことがありますが、『社員に合わせて仕事をつくる』という考えは初めてお聞きしました。障害や性別、介護や育児なども含めて、働き方の多様性を受け入れることが求められる昨今、とても大切な考えだと思いました。
最後に参加者全員で集合写真、真ん中の青い上着の方が桑原さんです。社員と一緒にお弁当を食べることが大好きな桑原さん。「人を生かす経営」の原点を教えていただきました。ありがとうございました!
訪問日:2018年5月25日(金) 文:事務局 河崎