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城北支部

髙橋 賢 会員

髙橋 賢(1996年入会・城北支部

髙橋 賢
㈱高橋 代表取締役

930-0108 富山県富山市本郷中部203-2

TEL: 076-434-1231 / FAX: 076-436-1513

業種: コンベアを中心とした各種搬送機械の設計、製作、施工。コンベアベルト及び関連部品の販売、取付工事。

とことん話せる仲間のおかげで、会社の使命が見えた

事務局が企業訪問してきました

株式会社高橋 代表取締役 髙橋賢さんにお話を伺いました。
高橋さんは1996年に入会され、2004年青年部会長、2010年青年経営者全国交流会担当理事、2012年経営労働委員長を歴任、そして2014年からは県中小企業家同友会副代表理事を務められています。

私が全国交流会に参加した時、他県の同友会会員さんから「富山の高橋さんから受けた影響は大きい」「経営指針については富山の高橋さんから教えてもらった」という声を頂いたことがあります。

2011年に開催された青年経営者全国交流会in富山の実行委員長を務められ、開催PRのため全国行脚なさった時に培われた幅広い人脈と絆、それをきっかけに各地で例会報告者として呼ばれるなど、全国にファンの多い高橋さん。

世代を超えて腹を割った話ができる、深く濃い人間関係こそが、同友会の強みと語ってくださいました。

株式会社高橋のあゆみ

弊社は昭和43年に現会長である父が創業しました。ゴム素材のコンベアベルトの修繕が中心で、メーカーから材料を仕入れ、ベルトを機械に取り付け、ベルトの端と端を接着するまでが弊社の仕事です。

<創業50周年記念パーティーのお写真を見せていただきました>

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創業する前、父は元々エンジニアでした。エンジニアの仕事を辞め、親族が経営していた横浜タイヤショップに入り、ある時横浜ゴムさんの方からコンベアベルトを現地取付する仕事をしてみないかと、オファーがあったことがきっかけで、現在の仕事がスタートしました。

先程、ベルトの端と端を接着すると言いましたが、厚みのあるゴムベルトをただくっつけるだけでは段差ができてしまいます。そこで父は接着面を滑らかに加工して接着する"エンドレス"という技術をメーカーさんで学び、身につけたところで、すぐ仕事を始めたわけです。

<エンドレスという技術、いかに段差なくつなぐことができるか、ここが一番のポイントです>

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当時景気は良かったので仕事は溢れておりましたが、肝心の働いてくれる人がいなかったんです。昔は"プレス"という大きな鉄の機械でベルトを接着していたので、とてもきつい仕事でした。朝、父が仕事に出かけようとすると、玄関先に社員さんの作業着が畳んでおいてある、仕方がないので一人で現場へ行く、ということが何度もあったそうです。

一人ではできない仕事であったからこそ、社員さんの存在がとても大きい。なので、社会保険等の整備は創業からめちゃくちゃ早い段階で整えられました。労働環境が整ってくると同時に、社員もどんどん増えていき、今の時代はこんな言い方をしてはいけませんが、昔は働くことに貪欲でギラギラしている方が多かったため、「残業はあるし、稼げる会社や」ということを、応募にこられた方に伝えていたと聞きました。

そのうちベルトコンベアの仕事だけではなく、コンベアのフレームを作れないか?という相談も増えてきました。そんな折、会長の旧知の仲であった方が経営されていた鉄工所を畳むことになり、「だったらぜひうちで仕事を続けてほしい!」と頼み、機械設計ができる方が弊社に来てくださることになりました。このおかげで、平成12年から設計部門を立ち上げることができ、仕事の幅が一気に広がりました。

とことん話し合える仲間との出会い

同友会には1996年に入会しました。当時まだ専務という立場で、実は入会後しばらくは幽霊会員だったんですよ(笑)2000年に第31回中小企業問題全国研究集会(以下、全研)が富山で開催された時、当時、城北支部長だった中曽根さんから「全研でグループ長をやってくれんか?」と頼まれたことがきっかけで、同友会に関わるようになりました。

当時、日夜緊急体制に備え、土日も交替で働いてくれている社員のことを考えると、自分が会社を不在にすることが後ろめたくて、なかなか同友会に参加できなかったんです。ですが、中曽根さんから、グループ長をするためには練習せんなんよといわれ、なんとか半年間、同友会に参加し続けました。

そうこうする内、松岡さんや甚内さんに誘われて、青年部会にも入会しました。ちょうどその時、先代や社員達との関わり方や人間関係にものすごく悩んでいたんです。青年部会の役員会などに参加しては、ほぼ毎回先輩達と夜11時ごろまで語り合っていました。

青年部会では、例会の準備段階でも「1回俺たちでグループ討論してみようや!」とか、まずは自分達でとことん議論を重ねました。例会はオフィシャルな場ですから、ゲストさんも多いグループ討論だとなかなか満足いくまで話し合うことができなかったりします。だけど、青年部だけの場だと、相手からズバっと言われることも多く、かなり刺激がありました。青年部会には深くて濃い人間関係があったと思います。この人間関係こそ、私が「同友会っていいな」と思ったきっかけです。

経営指針を創る会を受講するまでの葛藤

そんな最高の青年部ですが、言いたいことだけ言って楽しければいい、というものではありません。青年部の活動だけでは、やはり片手落ちになってしまいます。

私が青年部に入ってすぐのころ、松岡さんから「経営指針を創る会は絶対受けた方がいい」と勧めらたのですが、私はそのお誘いからずっと逃げていました。その内、一緒に青年部をがんばっていた中陳さんが第6期経営指針を創る会を受講して覚醒したという噂も聞こえてきて、、、松岡さん達もあんまり熱心に勧めて下さるものだから「あーもうこうなったら、受講させてもらいますっ!」という話になりました。

でもまだ前向きに受け止められなくて、事務局の山崎さんに「指針を創る会を受けないと人に非ずですか」と噛み付いたこともありました(笑)それに、平日でさえ会社をあけるのが後ろめたかったのに、指針を創る会は土日に行われるため、父や社員達からの視線が気になって仕方がありませんでした。

会長から面と向かって「社員が土日にでてきて働いているのに、お前が何で休んどんがよ」と言われた時、覚悟を決めて「俺に、会社に、絶対必要やと思うから、創る会に行かせてくれ!」と言いました。

これまでの自分を振り返ると、そんなに大した事じゃないことにこだわって、一歩踏み出せない自分がいました。ですが、勇気を出して受けてみた結果、青年部の外にも濃い人間関係ができ、経営者とは何かを考えるようになったことなど、自分にとって大きな変化がありました。

青年部会には「会社や自分をなんとかしたいと思って同友会に入会したが、何をどうしていいかわからん」という人達が多いと思います。自分自身がそうだったように。指針を創る会で「結局自分は何をしたいのか?」ということを絶えず考えさせてもらえたおかげで、視点が変わり、本当によかったです。

お客様の本当のハッピーに気が付き、自社の使命が見えた

私は2003年に第8期経営指針を創る会を受講しました。受講中、弊社の強みは「緊急対応がすごい会社」だと言っていました。例えば、「高速道路を運転していて、タイヤがバーストした時、ロードサービスにすぐ来てもらえたらいいですよね?弊社はそういう仕事なんです。」そういう話ばかりしていました。

ある助言者の方から、「もし絶対に切れないベルトができたらどうすんが?」と質問されました。私は「ベルトは切れるもんです」と言い返しました。その時はその質問の真意に全く気がつかなかったのですが、後々よく考えると、お客様にとって一番良いこととは何なのか?お客様のハッピーとは何か?をよく考えてみろ、ということだったんです。

「もし自分が客なら、切れない方がいい、壊れない方がいいに決まってる。」単純なことかもしれませんが、そこにようやく気がつきました。「いつかは壊れるものでも、壊れるタイミングってあるよな」と思い始め、「だとしたら、お客様にとって、壊れる前に気づき、修繕を提案した方が絶対喜ばれる!」
と、考え方がガラリと変わりました。それをきっかけに、弊社の本当の強み、真の科学性にたどり着くことができました。

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弊社の強みは、情報力と施工力です。緊急対応の仕事ももちろんありますが、現在はメンテナンスに1番力を入れています。弊社がお客様のカルテを持っているようなイメージです。機械の状態やゴムの状態を細かく分析し、情報を集め共有することで、お客様にとって最悪のタイミングで壊れることを未然に防ぐ提案ができるようにもなりました。

社内に情報共有ツールを導入し、各現場で誰が前回どんな風に施工したか、ミスがあった場合の原因は何か、そういったことも情報として蓄積していくことで、お客様により良いサービスを提供できると考えています。自社の独自性を考え続け、「お客様よりお客様のことを知っている会社、そんな会社になりたい」という思いが出てきました。

青年部会で頑張る、若き経営者の皆さんへ

今青年部で頑張っている若い経営者の皆さんの中に、もし指針を創る会受講を悩んでいる人がいたら、「よーく考えてみ、受講するかせんかなんて、大した問題じゃないよ」と言いたいです。まずは門を叩くことが大切です。

でも若い内に受講したからには、その後放ったらかしではとてももったいないと思います。創る会でせっかく「これや!」と得るものがあったのに、磨かないのはもったいないですよね。受講したら毎年助言者として参加することで、磨き続けることができます。

今自分が年をとったからこそ、そう思うのかもしれませんが、青年部という枠だけにとらわれず、自分自身でその枠を広げていってほしいと思います。自分を戒め、磨いてくれる仲間をぜひ増やしていってほしいです。同友会はいろんな世代の方と腹を割って話せる会。その強みをぜひ活用してほしいと思います。

会社見学

<搬送作業に欠かせないベルトコンベア。フレーム設計からベルト取り付けまでを一貫して請け負えます。>

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<ここがコンベアベルトの加工工場です。一言でゴムと言っても、幅、厚みなど様々な種類があります。>

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<つなぎ目を加工する機械は昔は非常に大きくて1人じゃ到底持ち上げられないものだったのですが、今は技術がだいぶ進歩してきています。それに伴い労働環境も昔に比べればよくなっています。>

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<社員のためのお風呂がありまして、掃除も当番制で行っています。次は私が当番です(笑)>

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<書類を書いている彼は、実は今日から弊社で働いてくれることになった方です。面談の時、先ほどお話した弊社の使命についてお伝えし、そこに共感してくれました。>

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最後に

高橋さんが青年部会長を務められたのは2004年から2006年の間で、青年部会会勢を49名から53名に伸ばし、青年部の枠にとらわれず、経営労働委員会や共育委員会への積極的参加を推し進めておられた理由が、今回お話を聞いてよくわかりました。ご自身の体験を通じ、「人は人によって磨かれる」という言葉の意味を教えて頂きました。

貴重なお時間、ありがとうございました!
(訪問日:2019年2月4日(月) 文:事務局 河崎)

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