城北支部
福崎 秀樹 会員
福崎 秀樹(1995年入会・城北支部)
社員教育は損得じゃない
事務局が企業訪問してきました
城北支部会員 株式会社フクール 代表取締役 福崎秀樹さんにお話しを伺いました。
1974年に福崎事務機商会として誕生した同社は、1977年9月に法人化されました。
お父様が創業され、福崎さんは2代目経営者になります。もともとはタイプライターの修理屋さんから始まり、コピー機の販売などを中心とされていましたが、現在は事務機器事業に加え、オフィスのITインフラ構築やクラウドサービスなど、ITに関する幅広いサービスを取り扱っておられます。
7年程前から新卒採用にも挑戦し、若い社員さん達がいきいきと働く姿がとても魅力的な同社。今日に至るまでの道のりをお聞きしました。
「前は東京の某大手関連企業で営業をやってたんですよ。だけど将来何かやりたいことがあって入社したわけじゃないし、ずっとバンドやってたんで、好きなことやりつつ、給料もらえればいーかなぐらいの、ちゃらんぽらんな気持ちで。夢とかそんなんほんとやめてって感じでした(笑)」
富山商業高校でのキャリアガイダンスや模擬株式会社「TOMI SHOP」をサポートする富山同友会F.P.部会の前部会長を務め、最近では地域の子供たちと若手社員が一緒に登山をすることで人との関わり方を見つめなおす活動などに積極的に取り組む福崎さん。まさかそんな時代があったなんて!
「色々あって富山に戻り、会社を手伝うことになったのが2005年。2009年に代表就任し、社名もフクールに変更したわけですが、そのころは"俺がこの会社を変えてやる!"と鼻息荒かったんですが、いやー、、、本当に何から何までうまくいかなくて。」
30代前半で事業承継された福崎さん。同友会との出会いは?
「もともと先代が会員だったので、僕は社長になる前から同友会青年部に入ってました。」
あ!そうなんですね。やはり青年部会で後継者の心構えを学ぼうと?
「いや、青年部で得られるものって、そういうあるべき論じゃないと思うんですよ。そこでの出会いが何より貴重。青年部の良さは、とにかく自分たちが信じていることをやってみる、自分なりの経営を模索する、そんなところにある気がする。」
なるほど。何から何までうまくいかなかったとおっしゃいましたが、どうやって乗り越えられたんですか?
「うまくいかないことをずっと誰かのせいにしてたんですよ。それじゃだめだと気づいた。"自分はなんの為に経営するのか"を考えるようになってから、少しずつ変わったのかな。7年前くらいから新卒採用にも取り組んでいて、そこも最初全然うまくいかなかったんですけど、それでも続けているのは、採用活動そのものが会社づくりだから。共感し合える仲間を会社に迎えいれることで、その子が成長するために自分達に何ができるかを考える過程で、また自分たちも成長できる。社員達には、仕事を通してどう生きるかを学んでほしいと思っています。」
<福崎さんの隣には、ピカピカの新人社員さん。働き方改革をITの力で推進する同社は、個人の机や引き出しを持たず、どこでも好きな席に座ってOKなんだそうです。集中したいとき、意見交換しながら進めたいとき、その時によって席を変えれば作業効率もアップ!>
「イベントなども社員達が企画して自分たちで作り上げてくれています。自分たちで考えてやってみたことが失敗したとしても、それは必ず成長につながる。子ども達とうちの若手社員が一緒に登山をしているのも、社員教育の一環ですよ。最初は文句言いながら参加する子もいるし、体力的に不安がある子もいる、つまり自分より弱い立場の人と一緒になってどうやったら目的を達成できるかを考えることが、たくましく生きるための本当の共育じゃないでしょうか。よく社員教育を損得で考える経営者もいますけど、あれ何でなんですかねー。僕はこんな仕事やってますけど昔から機械音痴で、ITのこととかも社員の方がよっぽど詳しい。だからみんなの力を借りなきゃなんもできない(笑)」
最後に社員さんお二人にもインタビューさせていただきました。
Q会社のどんなところが好きですか?
Yさん「好きなところは一人一人の意見が尊重されるところと、自分達で考えたことをやらせてもらえるところですね。単なる作業じゃなくて、仕事に携わっているという実感があります。入社から5年経ち、後輩も2人できました。毎週金曜日はカレーの日ということで、社長も含めてみんなでカレーを食べに行くんですが、最近は取引先のお客様が面白がって参戦してこられるんです(笑)」
Q同社を選んだ理由と、今後の抱負は?
Kさん「もともとIT関係の勉強をしていて、働くなら富山の会社でと決めていました。東京や大阪などでの就職より、やっぱり富山に貢献したいと思って。入社から3か月が経ち、今はクラウドサービスの部署に所属しています。Yさんは同じ部署の先輩で、皆さん本当に優しいです。僕たちが提供できるセールスフォースやBOXなどのツールは、お客様にとってそれを使うことが目的ではなく、お客様がそのツールを使ってどんなことを成し遂げたいと思っておられるのか、そこに寄り添いながらサポートできればと思っています。」
福崎社長が実践している"仕事を通して生き方を学ぶ"という姿勢が、先輩から後輩に伝わり、それが見事に言葉としてあらわれていて、本当に感動しました。
ちなみに帰り際も、社員さん2人とも炎天下の中当たり前のように外まで出てきてくれて、車の後方確認や、そこに縁石あるんで気を付けてくださいね!など声をかけてくださり、2度感動。なかなかできませんよこんなこと!なんと素敵な方々!!
"社員教育は損得じゃない"という福崎さんの言葉、心に染みる会員訪問でした。ありがとうございました。
訪問日:2018年7月11日(水) 訪問者:事務局 河崎