城南支部
濱 貴文 会員
濱 貴文(2012年入会・城南支部)
環境と雰囲気づくりを前に進む材料に
事務局が企業訪問してきました
ハマ企画株式会社 代表取締役 濱貴文さんにお話を伺いました。
若くして会社を受け継がれた濱さんは、同友会に入会後、今年度・来年度の青年部副部会長を務められています。
祖父の代から続く会社を受け継いだときに
弊社の事業内容を簡潔に言うと、看板屋さんです。屋外の看板の製作を中心に、看板のデザインと施工に携わっています。
弊社は、創業した祖父が塗装業からはじめ、時代の変化やお客様のニーズに応じて、父の代から会場の設営やイベントの看板製作等にも事業を拡大し、私が社長になってからは、LEDやディスプレイを使ったサインの製作も手掛けるようになりました。創業は1940年、来年で80年になります。
私が社長になったのは21歳の時でした。入社して1年で父が病で急死し、会社を引き継いだのですが、当時はとにかく仕事をこなす事でいっぱいで、周りを見渡す余裕もありませんでした。
父が残してくれた過去の仕事の記録を参考にして、会社を経営して5年が経過した頃でした。少し周りを見渡す余裕ができた時に、うちの会社は、今の状態でいいのだろうか?なぜ自分は働くのだろう。会社のためなのか、社員のためなのか、お金のためなのか。何のために仕事をしているか分からなくなりました
同友会との出会いで、自分と会社が変わったこと
そんな時に、以前から存じ上げていた森田昌孝さんに誘われて、2012年に同友会に入会しました。「いい会社をつくるために、一緒に経営の勉強をしていこうよ。」と言われたことを覚えています。
第20期の経営指針を創る会を受講して、自分は若年ながら会社を受け継いで、経営しているのだから、他の人から誉められるのではないか、と思っていたのですが、逆に自身が経営者として努力していなかったことに気が付かされました。
会社を5年、6年と運営していたことで、どこか勘違いしてしまっていたのだと思います。
特に、社員の目線になって考える事とは何か、社会の目線になって考えるべき事とは何か、相手の立場に立って考える事を学びました。
まずは、就業規則を整える事から始めました。社会の変化に対応していかなければならないと考え、社員の1週間の就労時間を、40時間に収まるように整えました。また、先輩会員さんからの勧めで、一昨年会社を法人化しました。今までは個人経営でもいいと考えていたのですが、公私混同しては、お金の流れや、責任の所在、色々なものがうやむやになってしまう。不透明さのある環境では、社員のモチベーションも上がりません。社員も会社の経営に携わっている一員だということをはっきりとさせることで、みんなで会社を盛り立てていこうという意識が生まれました。また、会社という形態をはっきりとさせることで、外からの信用も得られるようになったと思います。
また、会社の環境を変えるだけではなく、私自身も社長として、「この人と一緒に仕事がしたい」、と言われるような、自分の思いを伝えて共感を得られるような人物を目指しています。
社員の立場に立った、働きやすい環境をつくりたい
社員が、あまりやりたくないだろうな、という仕事はできるだけ受けさせたくはありません。「この仕事をしたい」と思える仕事に携わってほしい。私が自分本位になって、「自分なら、これは仕事だと思って割り切れるから」という考え方で、社員に仕事をお願いするのは、社員の目線に立っているとは言えないと思うんです。嫌な雰囲気で仕事をするより、明るい雰囲気で仕事に取り組めたら、と思います。
社内を禁煙にしたり、ランチ会を開いたりなど、働きやすく、明るい雰囲気作りを目指して、今できる事から始めています。社員が働きやすい環境で、いい仕事をして、社会に貢献できることに結びついたら、嬉しいですね。
また、会社と同友会青年部の活動両方を通して感じた事ですが、今の環境を良くしていこうという働きかけの中で、仲が良くて順風満帆な時よりも、課題を一緒に乗り越えていくときに聞く事の出来る、お互いの本音や、対等な立場で意見が交わせる状態こそが、一番の成長の機会だと捉えています。そうしたやり取りが交わせる者同士、出会えた縁も大切にしていくべきです。
これからの目標
これからの目標、というといくつも頭に思い浮かびますが、社員に長く勤めてもらえるための会社の環境づくりをこれからも続けていくことです。世の中の変化する家族形態や環境に追いつけるように、私も、社員と一緒になって頑張っていきたいです。また、去年は1人、今年は1人と新しい社員を採用できていて、弊社の創業以来最多の社員数まで成長しています。ささやかな願いとして、新しい社員を受け入れられて、安心して長く勤められる会社の環境づくりが実った成果として、会社のみんなで社員旅行にいけるようになりたいです。
濱社長のお話を伺って
濱社長のお話を通して、濱社長は、会社が前に進むためにはどうしたらいいか?社員に何をしてあげられるだろうか?を他の人の目線になって考えて、努められる方だと感じました。若くして会社を受け継いで、まだ分からないことに囲まれている状態から、会社を経営・成長させられたこと、会社の環境をよりよくしていきたいと、社員の方や社会の目線から、常に自分と自分の周囲のことを考え、行動する大きな前進力が、今までとこれからの会社の展望を語られる、濱社長の姿勢に大きく表れていました。
(訪問日:2019年2月22日(金) 文:事務局 横山)