青年部会
松村 卓哉 会員
松村 卓哉(2020年入会・青年部会)
ダンボールの無限大の可能性を活かして地域を盛り上げる!
目指せ!紙のマジシャン
~ダンボールの持つ特性を活かしながら新しいニーズを創りだす~
【経営理念】
・私たちは、紙の良さを生かし、お客様の「いいね、おもしろいね!」を目指します
・私たちは、ひとと地球にやさしい活動を通して、持続可能な社会づくりを目指します
・私たちは、「誠実さ、正直さ」を第一に互いに理解し、信頼を築き、共に成長します
事務局が企業訪問してきました
青年部会 松村 卓哉さん(㈱松村紙工所 取締役)のもとにお邪魔させていただきました。 松村さんは、2020年1月に同友会に入会されました。
現在はお父様であり代表取締役の松村 康宏 会員(㈱松村紙工所 代表取締役)が高岡支部に所属されており、ご本人は青年部会に所属されています。 青年部会に入会されて変化したことや、ご自身がこれから挑戦していきたいことについてお話を伺いました。
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【会社概要】
製造業、梱包材などによく使われるような片面ダンボールの製造を中心に、片面ダンボールを色々な用途に合わせて加工することも行っておられます。また、お酒の箱や薬の箱などの箱の製造もされています。
他にも、片面ダンボールを積み重ねて圧力をかけて加工した積層ダンボールと呼ばれるもので、猫の爪とぎなども作られているそうです。
一般的なダンボールの箱は作っておらず、片面ダンボールに特化して製造されており、片面ダンボールを製造している会社は北陸三県で3社ほどしかないのだそうです。
(上:積層段ボール 下:お酒の箱)
【同友会入会のきっかけ】
父親である社長の紹介ですね。 入会しようと思った最大の理由は、「不安でいっぱいだったから」。
前職は管工機材を扱っている専門商社で働いていて、経営に関しては全く無関心で知識もないし、経営をするっていう考えもなかったんです。
そもそも" 経営 "がなんなのかも分かっていなかったんですよね。会社に入ったからには、経営について学ばないといけない、でもどうやって学べばいいか分からないという状態でした。
そんな時に父親に紹介されて、同友会でなら経営者とは・経営とはなんなのかを学ぶことができると思って、青年部会に入会しました。
―お父様である社長と同友会の話はされますか?
結構話しますね。青年部会の勉強会でやったことの内容とか、良いなと思ったことは社長にも伝えてます。
つい最近だと副業人材のことを勉強会で聞いたんで、担当の方に来ていただいて社長にも話を聞いてもらおうということになりました。 まずは何かやってみないとっていう気持ちですね。
【同友会に入会して学んだこと・変化した点】
自分は青年部会のみに所属していますが、支部と合同で行う勉強会などで会員の方と関わる機会が多くて、そこで経営者ならではの視点で語られる意見だとか話を聞くことができるんです。
やっぱり経営者の皆さんは視野の広さも見通しも全然違う。先々のことを考えて、そういう長期的な視点で物事を判断したりしないとダメなんだと痛感しました。
―実際に仕事をされている中でそういう意識をもつようになったんでしょうか?
そうですね。従業員との関わり方にしても、今まではその場がうまくいけばどうにかなるだろうと思ってたんですけど、それじゃ結局なんの解決にもならないなって。そこから、これから先のことを考えてどう解決していこうかなど考えるようになりました。
―青年部会だからこその良さだとか魅力はあるんでしょうか。
青年部会だからこそなんでも聞ける環境があるということは大きい魅力です。なんでも聞いて大丈夫な環境はとても貴重だと思います。
若いうちだからこそ聞けるということを聞けないでいると、年をとったらいまさら聞けないということがどんどん増えてくると思いますし。
―2022年に北陸青年経営者三県合同例会の実行委員長もされましたが、他県の方との交流はどうでしたか?
普段仕事をしているだけだと関わることのない業種の方や、色々な考え方の方と関わることができてとても有意義でした。
当時の石川同友会青年部部会長は特に独特な考え方をされる方で、自分の得意なことを全く関係のない仕事にうまく取り入れていこうとする方でした。
お話を聞くと、「今後こうなっていくだろうからこれを取り入れていこう」と未来を見据えて行動を起こしていて...経営者ってすごいなって素直に思いましたね。
【自社のこれから】
まだはっきりとは決まっていませんが、2.3年後には事業承継で兄が代表になる予定です。
私自身が承継するわけではないですが、兄弟でやっていくわけなので、自分自身も経営を担うという意識を持ってやっていかないとなと考えています。
―何か事業に関して考えていることはありますか?
動物のおもちゃだとか、子どものおもちゃだとかにダンボールって実は結構使われているんです。
身近でありリサイクルもしやすいダンボールは可能性の塊だし、もっと注目されてもいいんじゃないかとは思っています。
自社の強みでもある片面ダンボールや積層ダンボールを作る技術も、現状で満足せず、もっと強化していかなければならないと考えていて、それを新商品などにうまく活用していきたいですね。
今後の課題は、新商品のアイデアを考えることですね。
(箱を作る際の木型。ひとつも同じ型は無いのだそうです)
―最後に、目指す点があれば教えてください。
さっきも言ったように、自社の強みを生かした新商品を考えるのは必須になってくると考えています。自分にできることを考えて行動して会社に還元していきたいなと。
また、こういうダンボール製造だとかは地場の産業で、あまり遠くの土地へ送っても配送コストのほうがかかってしまうんですね。
だからこそ、地元の中小企業同士で協力し合って、中小企業にしかできないようなことをやっていきたいですね。
そうやって盛り上げていくことが、人が集まってくる理由になるんじゃないかと思っています。
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《訪問しての感想》
松村さんには訪問の際に初めてお会いしましたが、 気さくにお話していただき、工場見学までさせていただきました。
私自身もネットで買い物をした際に、片面ダンボールで補強されている商品が届いた経験があります。普段気にしていないだけで、生活の身近な部分でダンボールが活躍していることが分かりました。
インタビューの際にノートを持参された松村さん。勉強会で学ばれたことや業界分析などを書かれているノートには2019年~と書かれており、学ばれている姿勢がひしひしと伝わってきました。
松村さん お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
(訪問日:2024年3月5日 文・写真:事務局 岡本)