射水支部
中村 長治 会員
中村 長治(2016年入会・射水支部)
「至誠・勤勉・進取」「チャレンジとプラスワンの精神」
事務局が企業訪問してきました
創業115年の老舗、地域になくてはならない企業を目指して
1903年に高岡市で薪炭の小売りからスタートした㈱中村燃料商店。今年で創業115年になる老舗です。
中村燃料商店といえば県道44号線(旧8号線)沿いのガソリンスタンドを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、中村さんが取り扱っている商品はLPガス、ガソリン・灯油・業務用重油などの石油製品、ガスコンロや水回り商材など多岐にわたります。中でも主軸はLPガスで、富山県では3番目にLPガス販売の免許を取得されました。高岡で銅器産業に薪・炭を卸していた創業時から、時代のエネルギー転換期をいち早く察知し、消費者ニーズに合った商品を取り扱っておられます。
お話の最初から「中長期的にみて、今後燃料で利益を出すことは難しいと思います。」と切り出した中村さん。「2000年にスタートした電力小売自由化の波が、2016年には完全自由化となり、様々な業種の大手企業がこの市場に参入しています。大手企業が参入すると、高付加価値サービスの競争になり、エネルギー関連商品プラスアルファを打ち出せるかどうかで売り上げが全く変わってきてしまいます。しかし、地元でがんばっている中小企業にとっては、そのプラスアルファのためだけに高額な投資もできませんし、めまぐるしく変わるエネルギー事情に合わせてその都度変える体力もない、本当に厳しい時代です。」
その例えとしてお話くださったのは、町のガソリンスタンドが急激に廃業に追い込まれている理由について、一般的に言われている車利用者の減少や、エコカー普及によるガソリン消費量減少だけではないそうです。「今から数年前に改正された消防法により、スタンドの地下に埋められている保管タンクを今の基準にあったタンクに変えなさいという通達がありました。基準に満たなければ撤去し、新しいものを埋めなおすとなると何千万円もかかってしまい、そのせいでやむなく廃業に追い込まれたスタンドはかなりの数に上ります。」
ですが、中村さんは決して悲観的に将来を見ているわけではありません。会社の社訓である「至誠・勤勉・進取」という言葉は、まさに115年続いてきた中村燃料商店の強みを表していました。
「創業者から現社長まで(※中村さんの実父)まで、真面目、勤勉という性格は代々続いているみたいです。現在社員は48名ですが、それは社風になっているかもしれません。また進取という言葉には時代の先を掴むという意味も込めていますが、私たちにはお客様のお家の中に上がらせていただけるという強みがあります。お客様との距離が近いということは、お客様の生活に密着したサービスを考えられるということです。これこそがインターネットサービスを中心とした大手にはまね出来ない生の情報であり、そこから発展した新規事業で、ガスコンロや水回り商材などの住設関連事業にチャレンジしています。」
今後の展望をお聞きすると、「地域になくてはならない存在になりたいと強く思います。そのためには常にお客様に必要とされる理由を考え続けなければなりません。自分自身が思うこの仕事の醍醐味は、お客様との人間関係が深まっていくところにあると思います。社員のみんなには、共に時代を切り開く仲間として、チャレンジ精神とプラスワンの精神を大切にしてもらいたいと考えています。組織として中間層が薄く、安全面を含めての技術承継が今後の課題です。」と熱く語ってくださいました。