全国大会
震災一年我ら断じて滅びず、福島全研に1600名参加
【感想文】福島全研に参加して
株式会社フクール 代表取締役 福崎秀樹 城北支部 青年部会長
3月8日-9日、「震災1年、強い絆のもと、われら断じて滅びず!」
〜中小企業の力で、地域復興と日本経済再生を〜
をテーマにした中小企業問題全国研究集会が福島で開催され、私も参加してきました。まずは福島同友会の皆さんがこの困難が続く中、開催を決められた事に敬意を表したいと思います。
自分なりにこの福島大会は「中小企業家一人一人が本気の本気になる集会」だったと思います。福島や東北の経営者の生の声、震災からこれまでの本気を知る事が出来ました。その想像を絶する言葉に何度も涙を流していました。しかしながら、感傷に浸るために行ったわけではありません。中小企業経営の抱える問題や課題をしっかりと認識し、そして自社や自分自身が何を考え、どう行動するかを決める為に福島に行ったのです。
そういった意味では、震災から一年経ちながら、未だ終息の見えない原発事故と向き合う、「福島」が開催県だったと言う事は運命的なものを感じています。
イノベーションが繰り返される社風づくりを
分科会では、三重同友会の代表理事であるハツメックスの服部社長の報告を聴かせて頂きました。後継したメッキ事業だけでは衰退するという想いから、客観的な視点と勇気をもった行動で、新規事業にトライしていらっしゃる報告は、とても参考になりました。
討論テーマでは、「イノベーション」という言葉がキーワードになりました。様々な方の意見を聞いたり、自分自身の事を話す中で、イノベーションとは何も技術革新だけの話では無く、自社変革の事を言う事も出来ると思いました。そういった意味で、イノベーションが繰り返される社風作りをどうしていくか。それが今後の当社の課題になりそうです。
真に地域を支えているのは中小企業
2日目の全体会では、昨日の分科会報告と被災地域の経営者によるパネルディスカッションでした。
パネルディスカッションでは、震災直後からの実践報告をしてもらいました。震災直後から地域の為に、食料をかき集め営業していたスーパー。
電話もメールも何も無い状況で、判断を迫られると言う事。コンテナを流されたけれど、事業再開の為に苦心された事。同友会の会員が、自社だけで無く、地域の復旧復興の為にあるゆる事をされている事を知る事が出来ました。
パネラーの三名の方は経験した事、実践した事を話してくださいました。あまりにも壮絶な出来事なので、正直想像も出来ないというのが本音です。自分だったら、そのような行動が出来るだろうか?と考えさせられました。ただ、それが中小企業の経営者のあるべき姿なのかもしれないと思っています。大企業はこのような有事の時でも自分たちの都合を優先する。しかし、自分たちの都合は置いておいて、地域や地域の人々の為に動く中小企業は素晴らしいし美しいなと感じました。
地域や未来のために わたしたちが出来ることは?
最後に、福島では中小企業の経営者が頑張っています。命がけで頑張っています。地域や未来の為に頑張っています。私はこの全国大会に参加するまで、「忘れない事」が直接被害を受けていない私たちが出来る事だと思っていました。しかし、それだけでは無い。と感じています。命がけで愛する地域を守ろうとしている私たちの仲間と出会って、『新しい仕事や産業を作る。そして雇用を創出し、地域の豊かな発展に貢献する。』これこそが、中小企業経営者として、福島同友会の勇気に答える事ではないかと感じています。そして、これこそが同友会理念の本質ではないかと思います。同友会に入っていて良かったなと思いました。
(注)写真は東洋ゼンマイ 長谷川社長(新川支部)が報告者となった第11分科会のものを使わせていただきました。