政策委員会
2018中同協
中小企業憲章・条例推進月間キックオフ集会参加報告
2018 中同協 中小企業憲章・条例推進月間キックオフ集会が、6月5日(火)13:30~18:00まで東京憲政記念館で開催され、全国38都道府県より178名が参加、国会議員からは、約23名の出席回答を頂き出席してきました。
富山同友会からは、近江代表と炭谷、天野両政策副委員長が昨年に引き続き出席、今年で7回目となるキックオフ集会は、大変実のある集会となったのか、内容も含めて報告したいと思います。
今年の会場は、1回から6回までは、新しくなった衆議院議員第一議員会館にある大会議室で行われたのに対して今年は、国会議事堂の前にある憲政記念館通称(尾崎メモリアルホール)において開催されました。
中小企業憲章は、2010年6月に閣議決定されましたが、それから丸8年が経ち、国民の総意として、ぜひ国会での決議をしていただきたいと痛切に思いました。更に中小企業庁の省への昇格や、専任の国務大臣を置くことを要望しています。中小企業が99,7%を占めるわが国にあっても、やはり国の政策は0.3%トヨタ自動車をはじめとする一部上場企業を中心とした政策が中心となっているのでしょうか。
また、この憲章の精神を各地域の政策に反映させることを念願に地方においては、中小企業振興基本条例の制定運動を展開しています。最新の制定数は、2018年5月現在、45道府県、290市区町村(218市、17区、48町、6村)において、この条例が制定されたことが報告されました。県単位では、東京都と高知県以外すべて設置(2017年広島県制定、2018年佐賀県に制定)が見られました。これは4年前(2014年6月)小規模企業振興基本法が制定されたことが弾みになっていることは確かではあるのですが、実際のところ制定は見られても、同友会員が拘わっていないところで決められたり、形だけのいわゆる「出来ちゃった条例」も多数存在し、今後の運用の在り方や振興会議の更なる充実が叫ばれています。
今回のキックオフ会議では、冒頭中同協会長で、憲章・条例推進本部長の広浜 泰久氏の挨拶から始まり、中同協政策委員長の石渡 裕氏が開催趣旨説明を行いました。続いて衆議院経済産業委員長の稲津 久氏の挨拶の後、中小企業庁長官の安藤 久佳氏から「中小企業憲章の理念に基づく中小企業政策」と題してミニ講演がありました。
内容としては、中小企業の生産性の向上のための政策として、IT導入やモノづくり補助金の更なる増額、人手不足対策や事業承継の支援などを積極的に行っていることや、来年10月に予定されている消費税増税や軽減税率、2020年を目標に行おうとしている「働き方改革」の法案の件など、現在取り組んでいる中小企業政策についてアピールされました。特に人材不足の問題については、これまで外国人技術労働者に対しては、最大5年の就労が認めらていましたが、これが最大10年まで日本での就労が可能になったこと、社員旅行などに適用していた経費算入割合の改善であったり、事業承継にかかわる自社株式などの相続税制の抜本的軽減などが挙げられていました。
その後、各経済団体、日本商工会議所であったり、全国中小企業団体中央会や全国商工会連合会、全国商店街振興組合連合会の代表の方から事例報告がありました。続いて「憲章、条例制定と活用の取組みの事例報告」が静岡同友会、福岡同友会からあり1部が終了しました。
さらに2部では国会議員の先生方20名以上から「中小企業憲章の具現化についてのご発言」がありました。お一人3分以内とのご案内にかかわらず、やはりお話しのプロであるように非常に饒舌に悪い言い方をすれば、非常に調子よくも聞こえました。ここらでもう一度戦略も含め見直す時期が来ているのかもしれません。
第3部では、総括会議が行われ、各同友会員から感想や意見が述べられ、今キックオフ集会は無事終了し、その日のうちに高岡に帰ってまいりました。北陸新幹線開業は、こうした日帰り出張を可能にしています。また近江代表には、翌日の中同協幹事会への出席のため、更にご苦労を頂いております。感謝。
中小企業同友会は、中小企業憲章が2010年の閣議決定してからの入会者が全会員の70%を超えるようになりました。中小企業のこれからの発展に対して、特に地方においては、企業づくりと地域づくりが一体となって進めることが大切です。 文責 政策委員会 副委員長 天野 修一