城南支部
2023ダイバーシティ市民大学第4講
10月11日(水)に2023ダイバーシティ市民大学第4講をサンシップとやまにて開催しました。
「誰も取り残さない共に暮らせる共生社会を創る」をテーマに今年は、全6講の学習会を開催します。
城南支部地域づくりチームは、会員と地域で活動する各種団体の方々とともに毎月話し合いを進め、
の度、ダイバーシティ委員会との協力のもとで本講座を開催します。
各講ごとにそれぞれの専門家の講義があり、どの回からでもご参加いただけます。
また、会員のみならず、一般の方のご参加もお待ちしておりますので、
ご友人・知人・社員さん・ご家族などお誘いのうえぜひともご参加ください。
第4講テーマ:「生きづらさを抱える今の若者たち 自立支援の先に!」
講師:水野 薫氏((一社)Ponteとやま 代表理事/となみ野支部)
澤田 幸伸氏(社会福祉法人高岡南福祉会 理事長)
発達障害などの「生きづらさ」を抱える若者のサポートをおこなっているPonteとやまの水野氏と
その利用者の就労受け入れ先である特別養護老人ホームを運営する澤田氏による報告でした。
さらに実際に就労支援を担当するPonteとやまの加藤氏と利用者であるAさんもお話しされました。
一般社団法人Ponteとやまは、砺波市に拠点を置く支援団体です。
主にみやの森カフェやフリースクールの運営、シェアハウスでの居場所の提供をおこなっています。
利用者は、発達障害・各種障害・DV被害者・虐待被害者、コミュニケーションや人間関係に不安を抱えた人たちなど多岐にわたります。
2020年、特別養護老人ホームからの依頼をきっかけに草刈りの仕事を請け負いはじめ、
「働く練習の場」として制度外就労へチャレンジします。施設外から、さらに施設内部の清掃の要請があり、
どのようにすれば継続して働くことができるか工夫しながら利用者が働きやすい環境づくりをしてきました。
発達障害当事者であるAさんの話では、5歳で発達障害と診断されたのち、家庭環境もあわさり、不登校になってしまいます。
カウンセラーだった水野氏との出会いで高校3年生からみやの森カフェで働くことに。近い状況の仲間との出会いや、
お客さんと接することで少しずつ自己理解ができるようになってきました。社会で働くことが想像できなかったが、
今ではシェアハウスに住み、貯金をして親元から自立することを考えられるようになりました。
継続して働くことができてきたのは、
・自分の特性に合った仕事だった
・受け入れてくれる職場
・仲間の存在と相談に乗ってくれる人がいること →自己理解が進むきっかけに
また水野氏は利用者にサポートするなかで、目指していることがあります。
・困難を受け止め、解決できる自信を持つこと
・自己決定、自己選択の力を身につけること
・援助資源、社会資源を主体的に利用できるように
受け入れ先である特別養護老人ホームを運営する澤田理事長の報告では、開所より施設の清掃は清掃会社に委託してきたが、
ここ数年の値上げ要請が繰り返し、施設職員だけでの清掃に切り替えるべきかと考えていた時「介護助手」の仕事をPonteへ
依頼していたことから清掃業務をお願いすることになります。
働くひとりひとり、何ができて何ができないか。教えるとできるのか。接し方の特徴など細かなマニュアル作りにより、
働く体制を整備しました。
就労の受け入れを経て、施設職員の意識も多様な人を受け入れる雰囲気に変わってきたと語ります。
人手不足に悩まされる中で、本業の仕事に集中できるように任せられる仕事をお願いしていくことが
人材活用の観点から他の事業所でもできることではないか。「足りない」という課題解決のために「どうすればできるのか」
をともに考えられれば良いとお話しされました。
講師を務めていただいた皆様ありがとうございました。
参加者の皆さまお疲れさまでした。
第5講 2023年 11月8日 (水) 18:30~20:30
会場:サンシップ富山講師:北嶋 真人 氏(児童養護施設富山市立愛育園 家庭支援専門相談員)
小林 涼子 氏(NPO法人ハッピーウーマンプロジェクト 理事/フェミニストカウンセラー)
テーマ:「虐待を受けている子どもたち、大人になった子どもたち~行政の支援が届かない現状に~」
第6講 2023年 2月14日 (水) 18:30~20:30
会場:サンシップ富山講師:高堂 茂樹 氏(富山県立雄峰高校 教諭)
テーマ:「定時制教育の現場から見えてくる、子どもたちを取り巻く環境」