城南支部
2023ダイバーシティ市民大学第6講
2月14日(水)に2023ダイバーシティ市民大学第6講を富山県民会館にて開催しました。
「誰も取り残さない共に暮らせる共生社会を創る」をテーマに今年は、全6講の学習会を開催しました。
第6講(2023年度最終講)
テーマ:「定時制教育の現場から見えてくる、子どもたちを取り巻く環境」
講師:高堂 茂樹 氏(雄峰高等学校教諭)
現在も雄峰高等学校で教諭を務める高堂先生による報告でした。
高堂先生は元々、全日制高校で教諭を務めておられましたが、
2005年度から雄峰高校夜間単位制に務め、教員生活の後半生を定時制高校で務めてこられました。
高堂先生が実際に定時制高校の教育現場で感じたことや
定時制高校に通う生徒の現状、どのような問題があるのかを報告していただきました。
『定時制高校』と聞いて、皆さんはどういうイメージを持つでしょうか。
定時制というと、昼間は働いている人が夜間に通う学校というイメージを持つ方も少なくはないと思います。
しかし、定時制とは「特定の時間帯に継続して履修する形態のこと」で、夜間に通う学校とは限りません。
現在富山県にある定時制高校は昼間単位制が中心であり、
単位制のため、高校卒業に必要な単位を取れば、定時制でも3年間での卒業が可能になっています。
さらに、現在定時制高校に通う学生は、必ずしも働いている生徒ばかりではなくなっています。
一言でいえば、全日制に入れない・入らない生徒が多く、
雄峰高校では、そういう生徒の中でも不登校の経験がある生徒が半分以上を占めているそうです。
不登校の経験がある生徒数は年々増加しており、
昨年度は全国で最多の30万人弱という結果が出ています。
富山県も例外ではなく、小学校856人 中学校1336人という数字が出ています。
ただ、保健室や相談室登校をしていると、登校とカウントされます。
実際に教室で授業を受けられていない生徒は数字よりもっと多く、もはや特殊ではなくなってきているのが現状です。
他にも、発達障害(の疑いがある)の生徒や、経済的な困難を抱えた生徒、
ヤングケアラーや虐待被害を受けた生徒、日本語を母語としない生徒など、
定時制を進学先に選ばざるを得なくなっている生徒が多くいます。
このように様々な特質や困難をもった生徒ですが、
多くの生徒が定時制に通う中で、課題を克服して社会に出ていきます。
高堂先生は、定時制高校で働く中で『人は変わる』と実感されたそうです。
本人が勇気を出して踏み出した一歩とそれを支える人がいることが大切であること
また、学校が「失敗してもいい」という安心できる空間でありたいとお話しされました。
その後は、報告を聞いての感想や企業としてできることはないかということをグループに分かれて話し合いました。
学校という仕組みが現代に生きる子どもたちに合わなくなってきているのか
また、困っている子どもたちにどのように支援ができるのかなど様々な意見が出ました。
講師を務めていただいた高堂先生ありがとうございました。
参加された皆様お疲れさまでした。
今回の第6講をもちまして、2023年度ダイバーシティ市民大学は終了となります。
2024年度もダイバーシティ市民大学を開催する予定で準備を進めております。
また、会員のみならず、一般の方のご参加もお待ちしておりますので、
ご友人・知人・社員さん・ご家族などお誘いのうえぜひともご参加ください。