高岡支部
金森 勇達 会員
金森 勇達(2008年入会・高岡支部)
創業120年の老舗。若手の成長が自社の成長。
金七金物店は文政年間頃より高岡市小馬出町で金物屋七郎左エ門として金七の屋号を掲げ、金物屋を営んでまいりました。
現社長の曾祖父、金森常吉が本家の養子となり事業継承して以来120年以上の間、建築金物、家庭金物の卸販売を営み、昭和25年1月に業務拡充の為株式会社に改組、昭和56年に高岡問屋センターに本社社屋を建設移転し、建築金物、建築副資材、金属系建材の販売・施工の充実を目指し、お客様のお役にたつように、また地域の住環境の向上に寄与すべく精進してまいりました。
「お客様に確かなものをお届けする」をモットーに、皆様に信頼されるサービスを目指しています。
事務局が企業訪問してきました
今回は高岡支部支部長 金森勇達さん((株)金七金物店 代表取締役)にお話しを伺いました。
まず高岡の歴史から少し紹介させて頂きますと、高岡は鋳物の町、商工業の町として知られ、伝統工芸である高岡銅器は1611年(慶長16年)加賀藩主前田利長が町の繁栄を図るために、7人の鋳物師を高岡市金屋町に呼び寄せたことからはじまります。仏具、鍋釜、花瓶、茶道具などから、最近では錫を使った斬新なデザインの器などが有名です。そんな高岡の歴史を背景に、(株)金七金物店は創業から120年以上続いてきた老舗の金物屋さんです。
<まさに歴史を感じさせる道具棚。もちろん今でも現役です!!>
「金七金物店は文政年間頃より高岡市小馬出町で金物屋七郎左エ門として金七の屋号を掲げ、金物屋を営んできました。私の曾祖父、金森常吉が本家の養子となり事業継承して以来120年以上の間、建築金物、家庭金物の卸販売を営み、昭和25年1月に業務拡充の為株式会社に改組しています。昭和56年に現在の場所、高岡問屋センターに本社社屋を建設移転し、建築金物、建築副資材、金属系建材の販売・施工の充実を目指しています。」
なるほど、その時代に合わせて取り扱う商品を柔軟に変化させつつも、金七の看板を大切に守り続けておられるんですね。金森さんが社長就任したころはいかがでしたか?
「私自身は1984年に入社し、2004年に4代目に就任しました。子どものころから周りは卸問屋だらけという特殊な環境で育ったおかげで、いつか継ぐだろうという意識は持っていました。ですが、いざ会社に入ると、自分より年上の社員さんばかり、しかも私が生まれる前から働いて下さっている方もたくさん...かなりプレッシャーでしたね(笑)もともとネジや金具、あらもの、せともの等を扱っていましたが、時代の移り変わりにより、建築関係へウェイトをシフトしてきました。町の金物屋はだんだん姿を消し、今では金物の購入先は大手ホームセンターかインターネットが主流になっています。」
<事務所の奥にはひろーい倉庫があります。今ではその面積のほとんどを建築金物が占めているそうです。>
<ヤカンやバケツなど、昔ながらの金物屋さんコーナーを発見!商品としてはほとんど出ないそうですが、歴史を大切にする社長の姿勢が表れています>
2008年に同友会に入会され、共同求人委員会に所属し新卒採用にも取り組まれている金森さん。新卒採用をしたいと思ったきっかけは?
「卸業に加えて、販売・営業工事部を設けて建築金物の取り付け工事も請け負っています。全体的に人手不足であったことに加え、現在社員数は12名で平均年齢は42歳ですが、年齢構成をみると30代がいないということに特に焦りを感じ、最初は施工に必要な資格を持った人を中途採用で募集をかけていましたが、まったく音沙汰なく(笑)資格を持っている人が来てくれるのを待つよりも、若者を採用し自社で育てた方が早いと思ったことがきっかけです。経営理念にあるように、私たちは謙虚・正直・信頼を基本姿勢としておりまして、社員教育でも一番はじめに伝えています。間違ってもいいから挑戦してみること、どんなときでも正直に素直であること、その積み重ねでお客様から信頼をいただけるということを若い人達に伝えていきたいと思います。私達の仕事のやりがいは、自分達が手間を惜しまずがんばった結果が、何十年も形として残るところにあるので、若い人達が安心して長く勤められる会社にすることが私の使命です。」
「同友会に入会して一番よかったなと実感しているのは、長期的視点でものごとを考えられるようになったことです。先ほども話したように、長期的視点で採用と人育てに取り組むことが、良い会社づくりの要だと学びました。」
創業120年を超す看板の重みは想像に余りあるものですが、そのプレッシャーをバネに新しい時代へ挑戦し続ける同社の原動力は、次世代を担う若い方々の成長にありました。
いつも冷静沈着、優しい笑顔で人望の厚い金森支部長。貴重なお時間をありがとうございました。
訪問日:2018年5月29日(火) 文:事務局 河崎