城北支部
森 弘吉 会員
森 弘吉(2007年入会・城北支部)
若者から"選ばれる"会社に!社員を信じ、社長を信じ、安心して挑戦できる社風
世の中に存在するあらゆる「製品」の多くは、複合素材によって形成されています。多くの製品は、まだまだリサイクルが十分に進まず、埋め立て処分や焼却処分されており、製品を処理するために自然環境へ様々な環境負荷をかけていると言えます。
また、古くなった機械は、修理されずに廃棄処分されています。
弊社のコンセプトを一言で表すと、
-「もったいない!」をカタチに®-する会社です。
弊社の独自技術をさらに発展させることで、今まで価値が低く廃棄されていた物を価値の高い物へと変化させたり、再生不能とされた機械を、新たに蘇らせたりする事などが「エムダイヤの使命」であると考えます。
どんなに物質的に豊かな社会であろうとも、より良い地球環境を残せなければ意味がありません。
では、弊社が目指すよりよい地球環境とは何か。
それは未来の子供達が笑顔で遊べる環境を残すことではないかと思います。
子供達が、外で遊べないような環境は、決してよい環境であるとは思えません。
その環境を後世に残すための一助となる事が、弊社における社会貢献であると考えます。
これからも全社一丸となって、今以上に高い能力と広い知識を身に付けて成長・発展し、より良い会社にしていきます。
事務局が企業訪問してきました
蝉が鳴き始めた7月13日、城北支部会員 (株)エムダイヤ 代表取締役 森弘吉さんにお話しを伺いました。
今回訪問させて頂いたきっかけは、6月に行われた共育委員会主催のチャレンジリーダー研修で森さんとお会いした時でした。
チャレンジリーダー研修とは、これから組織の中核を担っていく、入社3~5年ほどの若手社員が参加される研修です。
同社からは2名の社員さんが参加され、森さんも受講生達のファシリテーターとして研修に参画。
研修中の「役割と期待」という講義において、自社の経営理念から、会社は何を実現しようとしているのか?そのためにあなたに何を期待しているのか?というテーマで意見交換を行ったのですが、この難しいテーマにおいて、同社の社員さんがしっかりと会社のビジョンと自身の成長を重ねて意見を述べられている姿に感動しました。
まだまだコロナ禍の影響が続く世の中ですが、森さんの明るい笑顔と、若手社員さんの頼もしい姿に「これはぜひ話を聴いてみたい!」と、この度訪問させて頂きました。
はじめに
「もったいない!」をカタチに®のコンセプトで知られる(株)エムダイヤは、主力製品であるエコセパレ®分離破砕機に代表されるように、リサイクルプラントの設計・製作・販売等を手掛けるモノづくり企業です。
社員数は現在11名、その内女性がほぼ半数とのことで、モノづくり企業としてはこれだけでも特徴的ですが、もっと特徴的なのは、営業を担当するのが全員女性!
なおかつ新卒で営業を任されているということにも驚きます。
若い人達から選ばれる会社に
昨年コロナ禍において海外や県外へ直接赴くことができなくなった時間を活用して、大きく分けて次の3点に取り組まれました。
<昨年取り組んだ内容と成果物>
1.新製品の開発 :国内特許3件、国際特許1件、商標登録1件を出願
2.中期経営ビジョンの刷新 : 知的資産経営報告書の更新
3.リスクマネジメントの成文化 : 事業継続計画(BCP)の策定
そして今年、「富山健康企業宣言 銀」「ホワイト企業認定 GOLD」の認定も受けられたのですが、「特別準備して認定を受けたわけじゃなくて、日ごろ取り組んできたことに対して評価を頂けた」とのこと。
「うちは社員を大切にしています」「成長できる環境があります」と言うのは簡単。ですが今はネットを使って誰でもすぐに会社の内情を調べられるシビアな時代。。。
森さんは新卒採用に挑戦する中で、なかなか思うように採用が出来なかった経験から、「若い人達に同じ規模の会社同士で比較された時、どの切り口からみても選ばれる会社にしたい!」という思いで、働きやすさや働きがいがあるか、ビジネスモデル/生産性はどうか、またリスクマネジメントがしっかりしているか等、ひとつひとつ取り組んでこられました。
先述のように、昨年取り組まれた3点の内容と成果物が、そのものまさしくホワイト企業認定の7つの項目に当てはまった、ということなんですね!
外部評価によって会社の信頼度が上がり、ホームページを見て自ら応募して下さる学生さんが増え、今では採用計画に沿った採用ができるようになったそうです。
「企業は客観的評価が重要」とおっしゃる森さんの力強い言葉からは、森さんがこれまで様々な経営課題に直面し、貪欲に学び続け、あきらめずに乗り越えてこられた軌跡を感じました。
企業の目的とは
ホワイト企業認定の7項目の中でも、ビジネスモデル/生産性と、リスクマネジメントの評価が特に高かった同社。
ビジネスモデル/生産性については、昨年取り組まれた中期経営ビジョン及び知的資産経営報告書があったからこその高得点。
特筆すべきが、緻密に作りこまれたBCP(事業継続計画)!!作成されたきっかけは昨年のコロナだったそうですが、感染が拡大する兆しを感じた森さんはすぐに専門家の協力を得てBCPを作り始めたそうです。
「企業の目的は持続していくこと」という社長の思いから、いつ何時災害にみまわれても社員さんの命を守れるよう、避難場所までの経路を社員全員で確認したり、備蓄管理を徹底したりと、しっかりと社内で危機感を共有されています。
若手が安心して挑戦できる社風
最後にお忙しい中無理を承知で「工場見学させてください」とお願いしたところ、「いいよ!じゃあせっかくだから社員に商品の説明してもらおう!」と、急遽今年新卒入社した営業担当の社員さんに同席して頂けることに!
今回見せて頂いたのは最新の「基板剥離機」。同社のこだわりは、"一貫"したモノづくり。どんなに大きく複雑な製品も、部材から仕入れ、部品を加工し組み立てています。こちらの基板剥離機にはIoTが組み込まれており、タブレット等で簡単に生産管理を行うことができるようになっています。また、機械から離れたところから緊急停止等が行えるということで、導入先の生産性向上だけでなく安全性にも徹底的にこだわって開発されたのですが、このプログラムも、なんと自社で行ったそうです。
「え?システムエンジニアさんなんておられたっけ??いやさすがに冗談では??」と、私が大変失礼な驚きを隠せない中、営業の社員さんと一緒に機械を操作して下さっていた若い社員さんが「開発がんばりました」って・・・えー!!!本人おられた(笑)
ここまで徹底した一貫生産へのこだわり。
モノづくりの醍醐味はここにあるのかもしれません。
機械の説明をしてくださった営業担当の新入社員さんは、素人の私に対してもわかりやすく説明してくださり、凛とした姿からは自社製品に対する誇りや愛情まで感じられました。
始
最後に
社長の思いやりあふれる無茶ぶり(笑)に対して、見事に応えられる社員さん達。
若い人達が失敗を恐れずチャレンジする社風。
それは、社員を信じ、社長を信じる関係があってこそ。
社員さん達のホンモノの目の輝きから、同社の今後益々の発展を確信しました。
文:事務局 河崎 訪問日:2021年7月13日