高岡支部
浅井 千春 会員
浅井 千春(2015年入会・高岡支部)
〒933-0804富山県高岡市問屋町34
TEL: 0766-50-8106 / FAX: 0766-50-8161
業種: 障害福祉サービス・多機能型事業所Aimの運営
力を合わせて、幸せをつかむ~働く場は生きる場
設立年:2013年10月
資本金:500万円
従業員数:正社員3名(指導員)パート21名(4名が指導員)
年商:4700万円
事務局が企業訪問してきました
歴史情緒溢れる高岡市金屋町の街並みに溶け込んで
古民家を改装した「soup & cafe もやいこ」があります。
このお店を運営するのが、障害福祉サービス・多機能型事業所を運営する(株)with One。
コロナ禍中の昨年7月にお店をオープンしました。
2014年にA型事業所を立ち上げた当初から終始一貫して
「誰もが生きがいを持って働ける場、
社会の中で自らの存在意義を確認できるような場をつくりたい」
という思いで取り組んできた浅井氏。
金属塗装会社へ出向いての仕事から始まり、製造業、流通業、農業など、
創業時3社のみだった取引先も少しずつ増えてきた最中、
コロナ禍が始まってすぐにほぼすべての仕事が打ち切られてしまいました。
「メンバー(事業所利用者兼パート社員)の過半数は精神障害をもっている。
彼らが家にこもって暗いニュースばかりに触れている状況を作ってはいけない。
少しでも健康的な生活を・・・」
そう考えた浅井氏は、お金にならなくても
とにかくみんなと一緒にできることをと考え、
事業所周りの草むしりなど、必死に動きました。
緊急支援策としてのフェイスシールド製造の仕事を請け負うことができ、
その年はなんとか赤字にはならなかったものの、
それまでのように働く場を満足に確保することができない日々が続きます。
地域で共に生きる場づくり
ある会員から
「資金繰りは大丈夫なの?こんな時だからこそ前向きな借金をしないと」
と言われたことをきっかけに一念発起。
新規借入を起こし、新規事業「もやいこ」を立ち上げることを決意します。
もやいこを立ち上げるにあたって、
もちろん社内からは「なぜこの時期に」という声も。
しかし、
「請負の仕事も大事だが、自ら考え努力することで発展し
収入アップにつながる場をつくりたい。
コロナで人のつながりが切れてしまった今だからこそ、
みんな地域の中で共に生きているという実感が持てる場が必要」
という思いを伝えたところ、みんなの賛同を得ることができました。
コロナのおかげで社員たちが前向きになったと浅井氏は言います。
先が見えない中、メンバーと一緒になって草むしりをしながら、
どうすればメンバーのモチベーションを上げることができるのか、
どうすれば仕事を継続していけるのかを話し合った時間こそが、
みんなの意識を変えるきっかけになったのです。
もやいこでは指導員とメンバーが、
接客・調理・商品開発などすべての業務フローをみんなで協力して行っています。
去年の冬から働くメンバーのユウさんいわく、
土地柄観光客も多いですが、何よりご近所の方が足繁く通ってくださり、
毎日のたわいのない会話がとても楽しいそうです。
また昨年10月から月に2回、大人300円、こども150円で夕食が食べられる
カナヤ食堂という取り組みも始めました。
一人暮らしの高齢者も地域に増えている中、
どんな人も「集い・語らい・楽しむ」ことができるようにという、
お店のコンセプトそのものです。
自らの手で街をよくしていきたい
社外にもこの取り組みを応援してくれる人たちの存在がありました。
その人たちと共に高岡の街を元気にしたいと一般社団法人Cyjoを設立し、
高岡市内での電動自転車シェアサイクルサービスを開始。
受け身ではなく、自分たちの手でこの街をよくしていきたいという思い。
自らの手で会社と地域をよくしていきたいという同社の決意と重なります。
働く場は生きる場。
私たちは、働きたいと願うすべての人が笑顔で働くことのできる社会を実現します。
出逢いを重ね、都度新しい働き方を創っていきます。
力を合わせて、幸せをつかみます。
同社の経営理念は今地域へと伝播し、
たくさんの仲間と共に、浅井氏の挑戦は続きます。