城北支部
越濱 三雄 会員
越濱 三雄(2025年入会・城北支部)
歩み出した理念経営への道~誰もが明るい将来を描ける会社を目指して
<自己紹介>
● 業務内容
弊社は創業より30年以上に渡って医薬品包装パッケージ、添付文書・ラベルなどの印刷包材を取り扱ってきました。
主な取扱品目:
- 医療用医薬品パッケージ
- 一般用医薬品、医薬部外品パッケージ
- 化粧品パッケージ・健康食品パッケージ・
食品パッケージ - 添付文書・ラベル
- 一般商業印刷物(パンフレット・カタログ・
カレンダー)
● 自己紹介
昭和52年生まれ。
経歴:平成12年~16年まで関西の同業大手に入り、4年間工場勤務を経て、相互印刷株式会社へ入社~令和7年3月1日に代表取締役社長へ就任し、今日に至ります。
当社は昭和54年に父である越濱正三が創業し、医薬品包装パッケージ印刷・製造を主力として、中京圏、関東エリア、地元富山といったエリアに営業展開しており、今年で46期を迎えました。
趣味:ゴルフ、スポーツ観戦、映画鑑賞等
●メッセージ
<入会のきっかけ>
会員企業の方に勧誘してもらい、ゲスト参加を重ねて入会を決めました。
(事務局からの熱烈な勧誘があった気もします笑)
事務局が企業訪問してきました
弊社は今年46期目となる、医薬品包装パッケージ印刷・製造会社です。父が創業した会社で、今年の3月に社長交替致しました。私は大学卒業後、大阪にある食品関係の印刷会社で修行し、平成16年に富山に戻ってきて入社しました。
品質管理の責任者に
私が入社した頃、ちょうど世の中で品質管理が厳しく問われるようになってきた時代で、お客様からの品質要求の急激な高まりに先代は大変苦労していたと聞いています。そんな中で私は品質管理部門を任されることになったのですが、業界として、品質管理の知識、とりわけ医薬品に関する品質管理の知識がまだまだ確立できておらず、弊社としては県内大手企業にも負けないように、とにかく人海戦術で知識と技術を習得しました。
品質向上・ロス率減に向けて全社一丸となって努力
リーダーとして品質を高めるために何をどう取り組めば良いかが判らず、やればやるほど品質管理に関わる社員の負荷が増すばかりで、本当に悩みました。どうすれば、大手に負けない品質を確立でき、お客様の品質要求に応えることができる会社になれるのかー
転機が訪れたのは、4年前から取り組んだ経営改善活動でした。これまで分かりづらかったロス率を数値化し、全工程でモニタリングしました。ロス低減の数値目標を立て、目標達成に向けて活動を開始しました。
また、品質レビューミーティングを月に2回実施し、品質情報を製造現場へフィードバックするようにしました。4年間継続することで、年間10件程度あった客先クレームが現在では0件になり、ロス率の目標も達成し、低水準を維持することができるようになりました。
品質向上、ロス率低減に全社一丸となって努力してきたことで、ここ数年の急激な原価高騰の折にも、自信と勇気をもって交渉に臨んできた結果、ほとんどの取引先に適正価格にしていただくことにも成功しました。
会社を変えていきたい!でも・・・
先代である私の父はとにかくお客様第一にがむしゃらに働いてきた、まさに昭和のカリスマ社長という人です。私には真似できない魅力をたくさん持っている社長でしたが、良くも悪くもトップダウンの経営でしたので、幹部社員がなかなか育たなかったという側面があります。実際に社長がいないと何もわからない組織体質になってしまっていた部分から会社を変えていきたいと考えていました。
社員自ら考えて行動できる組織づくりのために、とにかくまず社員達に社内の改善要望を出してもらうことから始めました。最初4名の社内改善チームを作り3年続けてみたのですが、結果その4名しか改善活動をやっておらず、全社的な一体感を生み出すことができないまま、活動期間4年目を迎えようとしていました。
自分に求められている役割とは~事業承継
ですが、昨年そのチームで振り返りをした時に、社員の方から「もっとやりたいです、もっと自分達でやれることがあります」と言ってくれました。私自身「自分ががんばらないと」という思いで社内会議の進行等もやっていましたが、その時「もう僕らで出来ますから、常務はただ座っているだけでお願いします」と言われ、はっと気づかさせられました。自分のやるべき仕事はそういうことじゃないんだな、と。
そこで先代社長に「会社の経営理念をつくりたい」と伝えました。すると、「なら、もう社長になってやりなさい」と言われました。最初冗談かな?と思ったぐらい突然すぎる事業承継ではありましたが、本当に社員の前で宣言され、今年3月には経営理念も社内に掲げ、社長に就任いたしました。
これからどんな会社にしていきたいか
経営者になって直近の課題は、マネジメント層をどう育てるかと、新しい人を採用した時に何年後に自分がどうなっているかというキャリアパスを描ける会社にすることです。定着してもらい役割を果たしていける人材になってもらうためには、入社が目的ではなくキャリアを積んで人間として大きく成長していける会社組織にならないと、会社の存続につながっていかないと考えています。現在社員数は24名(パート14名)、平均年齢約40歳。誰もが明るい将来を描ける会社を目指しています。
同友会のことを紹介してくれたのは城北支部の湊恒成さん(富山中央社会保険労務士法人 代表社員)です。どこかの会社の就業規則を抜粋して作った借り物の就業規則を見直そうと思った時に相談にのってくださったのが湊先生でした。その時「どんな就業規則を作りたいか」ではなく、「どんな会社にしたいか」をとことん聞いてくださった上で一つ一つ一緒に作ってくださったことが本当に有り難かったですね。
同友会との出会い、初めて例会に参加した時の気づき
湊先生に誘われてゲスト参加した城北の寺下広平さん(㈱寺下工業 代表取締役)の例会報告で、寺下さんと幹部社員の方たちとの信頼関係や結びつきの強さを感じ、何だかうらやましい気持ちになりました。
理念経営は思いつきでやるものではないなとその時感じ、ひとつひとつ言葉と行動を一致させることが大事なんだと気付かされました。
私は先代が人一倍の苦労と努力を続けてきた姿を一番近くで見て来ました。
ゼロからイチを築いた先代、そして私はその思いを引継ぎ、自分の役割を果たしていきたいです。
インタビュアー:城北支部幹事長 河上功さん(㈲河上兄弟商会 代表取締役)
文責:事務局 河﨑