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全県行事

第34回経営研究フォーラム第3分科会

(24/12/04)

■第3分科会
「理念とのギャップを埋めてくれたのは自然体の共育だった」
報告者:所 貴佳氏 ㈱文化社 代表取締役社長/岐阜県中小企業家同友会 共育委員長

第3分科会では株式会社文化社の代表取締役の所氏を報告者に迎え、粘り強く実践することの大切を学んだ。

所氏が社員から代表取締役になった時、何をどうすればいいか全くわからなかったが、
まず会社の課題として、元々あった経営理念と会社の現状とのギャップを改善することに着手した。
若手幹部と課題の抽出と共有することから始めた。
「怖い」「空気が重い」「気軽に話しができない」「自分の意志で外出すらできない」
そんな暗い社風を改善することに着手。

自由に話ができ、この会社に居て大丈夫だと思え、人として成長ができ、主体的に行動できる会社を目指した。
人に係る課題の多くは職場の環境や雰囲気次第ではないかと考え、
楽しく働けて居心地のいい会社にしたいと様々な活動をスタートした。

㈱文化社の理念は「感動」「共有」「共創」
自社の行動指針を策定し、この指針が嫌なら新卒でも応募しないで欲しいという覚悟をもった姿勢で臨んだ。
それまでの直接的なコミュニケーションを避け、空気感で覚らせるという雰囲気では若手は絶対に育たない。
社員同士の経営者と社員との関係性の質はとても大切考える。合わせて個々の「人間性」を尊重することが大切である。
新卒者の退職があり、多くの気づきと学びがあった。人が育つ環境がないのにいろいろやるのは間違っていると思う。
「研修=研究+修養」「研修=技術+人間性」技術だけでなく、人間力を高める学びが必要不可欠であり、
人は死ぬまで成長しなくてならないと考える。
また、社内の対話を重視した。傾聴し、考え、伝わるように伝え、相手を尊重し、
理解しあえる関係を構築することを大切にし、課題を誰かに解決してもらうのではなく、
自ら解決できる人を目指して実践を継続。

巻き込みを重視し、社員に主体者意識をもってもらい、チーム感を形成した(孤立すると不満が出る)
またどれだけ粘り強く待てるか、あきらめずに係わることを大切にした。
様々な実践を通して、5年間で変化が表れてきた。話が増えたことや、仲間の変化に気づきフォローし合う社風に変化。
またこの会社がほんとに居心地がいいと言ってくれている。

なぜこのような変化が生まれたのか。社長の「しつこい」は重要だと思う。
圧倒的なコミュニケーション量とブレない考えのもと、社長自身が身近な存在でなければいけないと改めて感じた。
結果が出るまでは大変時間がかかるので、先延ばししがちだが、これが絶対によくない。
緊急性が極めて高いと捉えるべきである。
真似でもいいから、やってみることが大切であり、何よりも行動に移すことが重要。
困った時には同友会の仲間がいることを忘れずに。

私自身、現在の自社の状況とリンクすることが多く大変共感できた。途中で挫けそうになりそうだが、
あきらめずにいい会社づくりを社員と共に創りあげていきたいと感じた分科会となった。ありがとうございました。

(記録:林紀孝会員/㈱林商店/となみ野支部)
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