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全県行事

第34回経営研究フォーラム基調講演

(24/12/04)

■基調講演■
報告者:竹本 勝紀氏 銚子電気鉄道㈱ 代表取締役社長/(一社)千葉県中小企業家同友会

【概要】
千葉県銚子市を走る銚子電気鉄道(通称:銚子電鉄)の歴史、経営危機からの再生、そして現在の取り組みについての報告。

【経営危機と再生への道のり】
1990年に親会社である京成電鉄グループから独立。
その後、建設会社の子会社となるも、親会社の経営悪化により厳しい経営状況に陥る。
2000年代には、社長による業務上横領事件が発覚し、さらなる経営危機に直面。

危機を乗り越えるため、以下の取り組みを実施:(できることは何でもやってみた)
1.ぬれせんべいの製造販売開始
・社員が製法を一から学び、試行錯誤の末に商品化
・鉄道収入の2倍となる年間2億円の売上を達成
2.インターネットを活用した支援の呼びかけ
・経理担当の山崎氏によるウェブサイトでの呼びかけ
(デジタル向こうにはアナログな優しい人がたくさんいた)
・全国から支援の声と注文が殺到
3.地域と連携した観光施策
・お化け屋敷列車やイルミネーションなど独自のイベント展開
・地元企業とのコラボレーション商品開発

【現在の取り組み】
・「乗って楽しい日本一のエンターテインメント」を目指す
・SNSを活用した情報発信
・映画製作やゲームとのコラボレーション
・地域企業との「かける事業」(コラボレーション)推進
・「絶対に諦めない」を社是とした経営

【成功要因】
① 迅速な経営判断と情報共有
② 顧客目線に立った商品開発
③ AIDMAモデル(注目→興味→欲求→行動)を意識したマーケティング
④ 限られた経営資源を活かしたゲリラ的な事業展開
⑤ 地域との密接な連携

【今後の展望】
交通インフラとしての役割に加え、地域の広告塔・情報発信基地としての機能を強化。
「ありがとう」の気持ちを込めて、地域に必要とされる企業として進化を続けることを目指している。

報告では、経営危機を乗り越えてきた実体験に基づき、
「解決できるからこそ自分の身に起きた」というポジティブな発想や、環境変化への適応の重要性を感じました。
また、些細な改善の積み重ねによる「ミルフィーユ改革」の実践や、
地域との協働の大切さについても重要であることを改めて感じさせられました。

キーワードは、「絶対に諦めない」、「考えるだけでなく実践」、「常に笑顔」。

(記録:高桑慎会員/ソニー生命保険㈱/高岡支部)
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