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城南支部

林 漠 会員

林 漠(2023年入会・城南支部

林 漠
林建設㈱ 取締役業務統括部長

〒939‐8211 富山県富山市二口町2丁目6-12

TEL: 076-413-8841 / FAX: 076-413-8840

業種: 民間・公共の建築物の設計施工や鳩の営巣などの鳥害を防ぐ防鳥対策工事を行う

自社の強みを生かした創意工夫!

建設業の立場だからこそ提案できる鳥害対策

事務局が企業訪問してきました

城南支部 林 漠さんのもとにお邪魔させていただきました。
林さんは2023年3月に入会され、青年部会にも所属されています。同友会に入会される前からチャレンジリーダー研修などに参加者として関わっておられ、今年度の新入社員研修会にも企業側の担当者として参加されていました。
今回は林さんに事業内容を始め、入会のきっかけや今後挑戦していきたいことについてお話していただきました。

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【自社の事業内容】

公共・民間の建築工事や伴う付帯工事を請負う総合建設業です。
富山の本社と関東支店があり、本社では県や市の役所の入札物件や民間企業の工場や倉庫の新築・改修などをしています。
関東支店では主に埼玉県朝霞市の役所物件や、慶應大学様の各大学キャンパス・大学病院、付属の高校・幼稚舎・寮など全般に携わっています。公共・民間に限らず幅広く担当させていただいていますね。

他に特徴として、鳩やカラス・ムクドリなどの鳥に関する糞害・鳴き声による騒音などを防ぐための防鳥対策工事を行っています。
建築会社で鳥害対策工事を行っているのは北陸では弊社だけだと思います。北陸新幹線の駅のホームや富山ガラス美術館、新潟県のアオーレ長岡など1,000件以上の施工実績があります。

また鳥の忌避剤(鳥の嫌がる臭いや味・触感のする薬剤)の設置を簡単にするための忌避剤設置用商品である「バイ・バード」の販売を行っています。
この商品は製作に際して同友会会員から、パレット・ケースの金型成形に㈱コージン(代表取締役社長 小柴 雅信/新川支部)さん、薬剤充填の半自動機にユニオン産業㈱(代表取締役 澤井 勇/城南支部)、ユニオンテクノ㈱(代表取締役 澤井 真悟/城南支部)さんのご協力をいただいており当社で実用新案登録を行っています。
また、「トットリ君」というセンサーに反応してタカの鳴き声を流すことで鳥が近寄らないようにする製品を、富山データー機器サービス㈱(代表取締役 桑山 知子/城北支部)さんと共同開発し、商標登録も取得しています。

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(会社パンフレットより)


ー防鳥対策工事にも複数の方法があるんですね。

そうですね。
ネットを使用する方法や忌避剤を使用する工法、ワイヤー・剣山を使用する工法があります。
ネットは、ネットを張ることによって鳥が入ってこれないようにする工法です。この工法が皆さん一番目にすることが多いんじゃないでしょうか。
ワイヤー・剣山は、取り付けることによって鳥が止まれないようにするという工法です。
最後に忌避剤は、鳥の嫌がる臭いや味・触感のする薬剤を置くことによって、鳥が学習して巣の場所を変えるように誘導する工法です。

忌避剤に関しては先ほど事業紹介でも話した通り、「バイ・バード」の販売を行っています。
設置する間隔は、今までの施工の経験上だったり薬剤のメーカーの方と相談して効果のある設置間隔を決めています。鳥は警戒心が強いので、建物のふち・端に止まるんです。この習性を逆手にとって最も効果的な設置場所を決めています。決めないと建物の屋上一面に忌避剤を敷き詰めることになるので(笑)

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件数的にはネット、ワイヤー・剣山工法が多いですかね。忌避剤工法はどうしてもメンテナンスが必要になってくるので施工件数は減りますが、ネット、ワイヤー・剣山が設置しづらい場所だったり、目立たせたくない場所にはうってつけの工法です。
またお客様が自分で設置できる場所なら「バイ・バード」の商品だけ購入されることもあります。
長岡市にあるアオーレ長岡は、忌避剤工法だからこそ施工することができた建物です。
隈 研吾さんという著名な建築家の方が設計された建物で、外観がとても特徴的なんですが、鳥が止まれる場所がたくさんあるんですよね。
ネットや剣山だと目立ってしまいせっかくの外観を台無しにしてしまうので、忌避剤工法が選ばれました。その逆も然りで、薬剤が落ちて影響があるような場所は忌避剤工法でなく、ネット、ワイヤー・剣山工法を使用します。


ーお客様によって色々な施工方法を提案できるということですね。

そうですね。鳥害対策をするとなると、その会社の商品を使って施工するという場合がほとんどかと思うんですが、弊社は建築会社という立場から、建物の仕組みを理解して施工方法を提案することができます。
この場所だとメンテナンスしづらいから忌避剤工法はやめたほうがいいとか、そういうところまで含めた提案をすることができ、施工まで行うことができる点が強みですね。

【同友会入会のきっかけ】

社長である父(代表取締役 林 茂/城南支部)が元々同友会に入会していて、その薦めで入会しました。
また入会する以前からチャレンジリーダー研修などに参加者として関わっていた他、ゲストとして知る会に参加したり、新入社員研修・フォローアップ研修に企業側で参加しました。

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ー社長にはどういう風に同友会を薦められたんでしょうか?

今後事業承継などを考える上で、色々な経営者団体があってそのうちのどれかには属したほうがいいんだろうなと思っていたときに、社長から「同友会は経営の勉強だったりグループ討論に力を入れているから、入っておいたらいいよ」と言われて同友会に入会しました。

【同友会で学んだこと、学んで実践したことや変化したこと】

私は父以外の経営者の先輩や同じ年代の経営者の同士と話をする機会がありませんでしたので、色々な考え方、色々な経営方針を見たり聞いたりできることにまず刺激を受けました。
グループ討論では、1つのテーマに対して様々な業種の経営者が考え方や自社で実践していることを話し合います。何度も聞いているうちに「この方はこういう会社にしていきたいんだろうな」となんとなく見えてくるようになりました。

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自社だけにいると、社長のやりたいことや目指している部分はある程度分かるんですが、自分がそれを全てそのまま踏襲していくのか、新しいことも取り入れていくのかどうかはまだ分かりません。
でも0から自分で全て考えるのはかなり難しいことなので、色々な方のお話を聞けて、私が話したことに対して意見がいただける機会・環境があることが同友会に入って一番良かったことですね。そういった点も含めて社長は同友会を薦められたのかなと勝手に考えています。
上場企業の社長や幹部など著名人の考え方はビジネス本でも読むことができますが、参考になるところもあれば、企業規模が違いすぎて他人事のような面もあり。
その点、同友会は業種の違いはあれど近い規模感の会社が揃っていますので、共感や納得がしやすいのではないかと思います。


ー青年部会にも所属されていますが、何か感じられることなどありますか?

個人的なイメージで、経営者ってお年を召されている方が多かったり、若い方といっても個人事業主が多いのかなって思ってたんです。
でも、同友会の青年部会に入ってみるとそんなことは無くて、前部会長の金谷さん(㈱庄川エンボース工業所 代表取締役/となみ野支部)が私より1つ年下だということに衝撃を受けたり...。
年齢が近い経営者の方々がそれぞれ苦労したり成功したりしている話を聞けたり、真面目な話だけでなく気の抜けた話もできるのでいい場だなと思っています。
仕事に関係ないことだったり年上の方に話すまでもないようなしょうもないことだったり(笑)部会活動が終わったあとラーメン食べに行ったり...すごく良くしていただいてます。

【今後の展望や挑戦したいこと】

今は60歳から65歳定年の時代になりましたが、私がその年代になる頃にはきっと70歳定年~生涯現役の時代になっていると思いますので、まだ具体化は出来ていませんが、社員が働きやすい、働き続けたいと思える会社づくりをしたいと考えています。
私自身、前の会社に勤めているときに無理をして苦労した経験があります。その経験も踏まえた上で、社員が無理な残業や休日出勤をしなくてもすむような仕事づくりや、すぐに相談することができるような環境を整えるだとかはしていかないといけないですね。

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今も絶賛DXの導入検討に力を入れています。弊社では日中は現場で仕事して、日中の仕事が終われば書類作成をしなければならないので、どうしても現場社員の残業が多くなってしまうんですね。そこで、書類作成専門の担当者を決めて現場の負担軽減にならないかなど試しています。
でも、今まで皆で負担していた仕事が担当者に集中するものですから、今度は一度に任せられる現場の数が限られたり、負担が大きくなってしまうなど違う問題が出てきています。こういった問題をDXの導入でなんとか効率化できないかと試行錯誤中です。


ー御社では5年連続で新卒採用をされていますが、新卒社員が入ると社内にどのような影響・変化がありますか?

まだそんなに大きい仕事は任せられないですが、現場に出ていると協力会社の方たちにも「林建設の若い子」って呼ばれて可愛がられたりしてます。
建設業って人を育てるのにどうしても時間がかかるんですね。覚えなきゃいけないことが多いのはもちろん、資格を取らなければいけないんですが、その資格を取るために「実務経験○年以上」とかそういう縛りがあるんです。弊社は公共の仕事も多いので、どうしても資格を取ってもらわないといけないんです。
若いうちに資格を取って育って将来上に立ってもらいたいので、どうしても早めに採用したいというのが企業としての本音です。

あとはやっぱり若くて元気なので会社が明るくなりますね。頑張って仕事をしているところを見ると、今後どうなっていくのか楽しみになります。

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《訪問しての感想》

林さんとはあまりお話したことがなく緊張していましたが、冗談を交えながらも分かりやすく丁寧にお話して下さるので色々なお話を聞くことができました。
鳥害対策のお話では、同友会の会員企業も商品づくりに携わっていることを初めて知ったので驚きました。
また、別日に他会員企業を訪問した際に「林建設さんに鳥害対策お願いしてる最中なんです」とタイムリーなお話もお伺いしていたため、会員から違う会員のお話が聞こえてくることに嬉しさを感じた機会になりました。

林さん
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

(訪問日:2024年5月16日 文:事務局 岡本/写真:事務局 岡本・澤田)

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