城北支部
中川 渉世 会員
中川 渉世(2022年入会・城北支部)
〒939-2718 富山県富山市婦中町分田157 コンチネンタルビル1F
TEL: 076-466-2009 / FAX: 076-466-2019
業種: 税理士業務、各種経営支援業務
税理士という仕事を通して関わりのある全ての人たちの役に立ちたい
「人として生きるのであれば、人の役に立ちながら生きていかなければならない」
~考えて辿りついた自身の幸せの定義とは~
事務局が企業訪問してきました
城北支部 中川 渉世さんのもとにお邪魔させていただきました。
中川さんは2022年3月に入会され、青年部会にも所属されています。 いつもにこやかにおもしろくお話してくださる中川さんに税理士になられたきっかけや、同友会入会のきっかけなどお伺いしました。
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【自社の事業内容】
税金の専門家という税理士の立場から税金の手続きや申告の代理業務、こちらに付随してお客様である経営者のご相談に対応します。
また、生命保険や損害保険のお話や相談を受けることもあるため、代理店業務も合わせて行っております。あとは資産活用業務やシステムのサブリースなど、様々な相談に応じたサービスを提供させていただいています。
―新規顧客よりも既存顧客の割合が大きいんでしょうか?
一般論ですけど、税理士って同じ年齢くらいの経営者の方とのお付き合いが多いんですね。税理士の平均年齢って60歳を超えていて、私自身は若めの部類に入るんです。
ですから、新しく事業を立ち上げる方だったり副業で会社を作りたいといった案件の相談を受けることは比較的多いです。 どちらの割合のほうが大きいとは一概には言えませんが、独立する前にいた事務所と比較すると、全体的には年齢が若い、新しいお客様が多いかなとは感じます。
【同友会入会のきっかけ】
同じ税理士である堺 義洋会員(堺義洋税理士事務所 所長/射水支部)に「1回参加して話聞いてみないか?」とお誘いいただき、同友会を知る会に参加させてもらったことがきっかけです。当時はコロナ渦真っ只中だったため、zoomで参加しましたね。
―堺さんからはどういう風にお誘いされたんですか?
堺さんは元々中小企業の支援をずっとされてきた方なので、「やる気のある中小企業の社長がたくさん所属している会だよ」という風にお話をいただいたかと思います。「社員を雇っていると共感できる話が多いよ」と言われたことも大きかったですね。
実は当時、2021年12月に自社で初めての社員を雇用したこともあり、色々考えなきゃいけないことだったり今までの考え方を変えないといけないことは意識していました。ですが、他の会社さんがどのようにされているのかを知る機会が無かったんです。
そういうことも相まって、お話を聞いてみようかなと思いました。
また、元々経営理念には興味があって、自分なりにどのように生きていきたいか・こういう風にやっていきたいだとかはなんとなく考えていて、理念めいたものは自分なりに持っているつもりではあったんですけど、結局それが正しいものなのかどうかは自分では分からない部分がありましたし、
大企業だとHPなどに大きく経営理念だとかを掲げていますが、見えていない他の会社さんはどのようにされているのかなと気になっていました。
あと、こういう話って自分では気になっていても話す機会ってなかなか無いんですよね。
「私はこういう気持ちで仕事していますよ」と表明することはあっても、自分の思いを強く語る場面って無いじゃないですか。私は自分の思いを他人に押し付けるだけでは良い結果を生まないと思っているんです。
でも社員とは1つの目標だとかそれこそ理念に向かって頑張らないといけないわけで、そのあたりをどうすればいいのかなと悩んでいた部分があったことも参加したきっかけです。
【同友会で学んだこと、学んで実践したことや変化したこと】
同友会で学びたかったことに、やっぱり「社員とどうあるべきか」が大前提としてありまして、活動に参加して色々聞いたりして一番しっくりきているのは「社員を大切にする」という考え方です。
2021年12月に初めて社員を採用してから、事務所の合併を経て今は6名の社員とともに働いています。
税理士は自分一人だけでもやっていける仕事ですが、お客様が増えていけば結局自分だけじゃ手が回らず手伝ってもらわないといけないわけで、そういった前提の気持ちを忘れずやっていくという考えはより強くなりました。
(応接間には社員の方全員の似顔絵が飾られています)
また印象的だったのは、一番最初に参加した「同友会を知る会」で同じグループに中嶋 康太会員(㈱中嶋組 代表取締役/新川支部)がいらっしゃって、「採用面接のときにどんな質問をされていますか?」と質問したんですね。
すると、「これまでの人生がラッキーだったかどうか聞いてみるといいよ」という風におっしゃられたので、それからは毎回面接の際にこの質問をしています。
―ラッキーですと答える人は評価がプラスになるということですか?
もちろん、今までの物事をポジティブに捉えられるっていう点ではプラス評価だと思います。ですが、実際にこの質問をしてみるとラッキーと答える人・ラッキーじゃないと答える人半々くらいの割合です。
私はラッキーだと答えた方が必ずしもプラスだと思っていなくて、例えば捉え方は違うかもしれませんが、ラッキーじゃないと答えた人は自省・振り返って反省する気持ちだとかそういう部分もあると思うんです。私自身は今まで大概ラッキーだったとは思っているんですが、今までたくさん失敗してきていますし。本人の性格・捉え方次第だと考えています。
この仕事は慎重じゃないといけない部分があるので、そういった性格や考え方を見るのにも良い質問だなと。この前面接した際は質問内容をド忘れしたので、「いつもするあの質問なんだったっけ!?」と社員に問いかけました(笑)
また、2023年9月に開催された射水支部のオープン例会で澤川 幸利会員(澤川鍛造工業㈱ 代表取締役/高岡支部)の報告の中で、社員と足並みを揃えてやっていく中で「提案箱」を作ったという話を聞いて、これは自社でも実践しないと!と思い立ってすぐに作りました。
半年くらい何も投函が無かったんですけどね(笑)先日ようやく投函があったので、事務所の皆で会議して設備投資をすることに決定しました。
―青年部会にも所属されていますが、青年部会に対して感じていることなどありますか?
アクティブな方からの刺激をたくさんいただくことができますし、年齢の近い経営者の方のお話を聞けたり意見交換ができる場があるというのは良いなと思います。皆さんお忙しい中で県外に出たりアクティブに行動されているので、どんな風に時間作ったりどういう優先順位でされているのかなとは気になります。
【働く上で自分の中で大切にしていること】
私自身、専門学校を卒業はしましたが、税理士とは全然違う仕事に就いていた時期もありました。25歳のときにこれから何十年続くか分からない人生で、どういう風に生きていくべきなのかと考える機会があったんです。
その中で1つ出た結論が、「人として生きるのであれば、人の役に立ちながら生きていかなければいけない」ということでした。じゃあ人の役に立てることってなんだろうかと考えたときに税理士の仕事がやりたいなと思い、この業界に戻ってきました。
20代前半の頃は何のために生きるんだろうとか、幸せの定義って何だろうとか悶々と悩むことが多くあったんですが、私が25歳のときにたどり着いた自分なりの幸せの定義は、「自分が持っている時間・知識・手間・思いやりとかそういったものを相手に提供した上で、自分が良かったなと思えること」でした。これは今もずっとある考えですね。
【今後の展望や挑戦していきたいこと】
人としての人間力をしっかり持っておくっていうことは忘れずにいたいですね。人口減少によって事業や産業が廃れていってしまうのは止めようのない現実で、そんな中でどのように生き残っていくかということを考えると、人としてソフトな部分で生き残っていきたいと思うんです。
帳面整理だったり数字を打ち込む作業はどうしてもAIに取って代わられる仕事で、きっとどこかの時点で無くなってしまうと思います。ですが、お客様からの相談だったり「人だからこそできる仕事」のソフトな部分は絶対残ると考えています。
そういった部分を残していくためにも、経験だったり人間力、知識量などが必要不可欠だと思います。それらの力を高めていくことで、この税理士という仕事に関わらず尊重される人間になっていくんだろうなという気がしています。
ですので、人に頼られる人間であり続ける、明確に人の役に立てる人間であり続けることで組織も必要とされ続けるようにありたいと思っています。
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《訪問しての感想》
中川さんが税理士になられるまでのお話や失敗談、幸せの定義など深いお話をたくさん聞かせていただきました。
中川さんに幸せの定義を問われたとき、うまく答えられなかったので今後探していき、またお話させていただきたいなと思います。お話をしているときにご家庭のお話が出てくることが多く、普段と違った一面を拝見することができました。
中川さん
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
(訪問日:2024年6月4日 文:事務局 岡本/写真:事務局 岡本・澤田)