青年部会
松長 哲郎 会員
松長 哲郎(2018年入会・青年部会)
未来年表講座で得た気づきと新たな一歩
《経営理念》
(W)WORLD 世界や地域から必要されるよう法令順守の精神で事業を通じて地域社会に貢献します。
(F)FAMILY 社員やその家族を守り大切にします。
(C)CUSTOMER お客様に寄り添い期待以上の商品サービスをご提供します。
事務局が企業訪問してきました
青年部会に所属されている松長 哲郎さんのもとにお邪魔させていただきました。
松長さんは2018年8月に入会され、今年でちょうど6年経ち7年目になります。2021年には北陸青年経営者三県合同例会で富山県の実行委員長を務められ、現在も勉強会などの同友会活動に積極的に参加されています。
今回は松長さんが店長を務められる㈱WFC エルカーショップ富山店にお邪魔して、青年部会に入会されたきっかけや昨年度社長と受講された未来年表講座についてお伺いしました。
【自社の事業内容】
事業内容としては自動車の販売と整備および自動車保険の取り扱いと板金修理を行っております。今は一般のお客様への販売よりも業者の方への販売が多くなっています。
弊社に来られる一般のお客様は、どちらかというと趣味で自動車を選ぶという方よりも普段生活する上での移動手段として自動車を選ぶという方が多く割合を占めています。50代以上のお客様が5割以上です。ただ最近だと高齢者の免許返納などが進んでいる社会的風潮や、以前からのお客様が施設に入られたりすることもあり、一般のお客様層が減少してきています。
弊社の店舗名「エルカーショップ」のエル(L)は、ロープライス(low price)ロングカーライフ(long car life)の2つの意味の頭文字からきており、お客様には安く安心して長い間乗っていただけるような自動車をご提案できるよう努めています。
自動車って生活している上で絶対的に必要なものではないわけですが、日々の通勤時間を短くしてくれたり家族で行きたい場所に行けるようになったり、日々の生活を豊かにしてくれるものです。自動車の存在価値という点も含めて、お手頃な価格で自動車を購入していただき、色々な方に自動車を通して豊かな生活を提供していきたいというのが弊社の思いです。
有難いことにリピーターのお客様が多く、「安く購入できたけど長い間壊れなかった」とおっしゃってくださり、また2台目3台目とご購入いただいています。
―そもそも、松長さんが入社されたきっかけは何だったんでしょうか?
元々は重機の整備士をしていたんですが、手荒れが結構ひどくてこのまま仕事を続けていくのは難しいなと考えていたときに、ハローワークで弊社の求人を見つけました。
整備士の資格も自動車に対する知識もそれなりにあって、人と話したり関わったりすることが好きだったので販売の仕事をしてみたいと思い入社しました。前職は人と関わることが少なかったということもあり、人から「ありがとう」と言われる仕事がしたかったんです。
【青年部会入会のきっかけ】
社長 若林 宗弘(㈱WFC 代表取締役/富山同友会副代表理事)に「青年部会の集まりに参加してみないか?」と言われまして、元々同友会という存在自体をよく分かっていなかったんですが、せっかくならということで連れて行ってもらいました。
そこで濱 貴文さん(ハマ企画㈱ 代表取締役/城南支部支部長)にすごく気にかけて引っ張っていただいたことが入会のきっかけです。
―社長に同友会の話をされた際には、承継の話などは出ていたんでしょうか?
いえ、全く。先ほども言いましたが、同友会という存在が何なのかも全く分かっていませんでした。
当時は、青年部会で勉強させてもらうということを中心に考えていたので、自分が後継者になるという意識は全くありませんでしたね。
青年部会を薦めたときの社長の考えを聞いたことはないですが、今考えてみるともしかしたら色々考えてのことだったのかもしれません。
【同友会で学んだこと、学んで実践したことや変化したこと】
私自身は元々創業者でもないし、家業に入ったというわけでもないので、入りがサラリーマンなんですよね。
働きに行って給料をもらって帰るというのがそもそも当たり前という背景があったんですが、青年部会に入会して色々な経営者の方々と関わらせていただくうちに、働くってお金が全てではなくて何のために会社が存在しているか・誰のために何をするべきなのかとか、今までは見えていなかった部分がまだ全てではありませんが見えるようになってきました。
また、自分たちの仕事を通して関わっているお客様に真摯に対応しないといけない、さらに言えばその方が幸せを感じられるよう、ご家族やご友人の方々のことも一緒に考えていかなければならないということに気づきました。
―青年部会で三県合同例会実行委員長など経験されて、自身の変化はありましたか?
普段例会に参加していた際は自分にも自社にも何か持ち帰れるものが無いかと考えているだけでしたが、委員長として企画側に回らせていただいたことにより、参加者の学びになることが何か・そのためには何をしなくてはいけないのかという点を考えることができたのはとても大きい経験になりました。
その中でも普段関わることのない方々と色々お話させてもらうことによって、同じ仕事ばかりして凝り固まった自分の考え方や視点が変化しました。
組織作りに関しても、本当に幅広く規模の異なった会社にそれぞれのやり方があって、何かを作り上げるということに関してとても勉強になったと思います。
―2023年度『幹部と共に描く未来年表講座』の受講を終えた率直な感想をお聞かせください。
そもそも受けた経緯としては、自社の10年後ないし業界の未来に対して漠然とした不安があったんですが、そんなときにこういったカリキュラムがあるということを社長から聞き、ぜひ受けたいとなったことがきっかけでした。
第1講のころは、今の自社に足りないものだとか財務のことだとかを見ると不安だらけだったんですが、社長と話をしたり考えているうちに未来のためにすべきこと・課題が見えてきました。
最終講で社長や会員の方々の前で発表させていただいて、本当は「これで自社は安心だ」と言いたかったんですが、やはり現在も正直、不安のほうが大きいです。
でもこのカリキュラムを受けなけなければ「何に対しての不安」なのかも分からなかったわけで、それが分かったことはすごく大きい気づきだったと感じています。
またカリキュラムを通じて、社長と1:1で長い時間向き合って話すことができたのも良かったですね。
会社が大事にしていることだったり従業員に対しての思い、地域への思いも含めて会社としてやっていかなければいけないこと・経営者としての視点を学べたことは自分自身にとって大きい収穫でした。
ハードルは高いかもしれませんが、得られるものがとても大きいと感じました。
絶対に皆さん受けられたほうが良いと思います!
【働く上で自分の中で大切にしていること】
小さいときから日常的に家族の中で何かをしてもらったりしてあげたときには、日常的に「ありがとう」と感謝の言葉を言い合う環境がありました。
そういった経緯から、例えば社内の誰かに何かしてもらったときに「ありがとう」と感謝の気持ちをちゃんと伝えること、なおかつお客様から「ありがとう」と言っていただけるように心がけています。
(自動車の整備道具がたくさん!丁寧に整頓されています)
【今後の展望や挑戦していきたいこと】
会社として社長とも話していたのは、自走できる従業員を増やしていくということです。
弊社の理念は行動指針でもありますが、従業員全員が自分ごととして考えられているかというと中々難しいところです。自分自身も100%できているかどうかというとできていないでしょうし。
今後従業員の向上心や様々なアイデアが出てきたとき安心してチャレンジできるように、会社がバックアップしてあげられるような環境を作っていきたいなと社長と話して考えています。そういう環境があれば、自走できる社員がどんどん増えていくんじゃないかなと。
まだ深く考えられていない点を今後色々試行錯誤していきたいと思っています。
《訪問しての感想》
今回松長さんのお話を伺って、自動車販売・中古自動車販売の現状であったり取引方法などを初めて知ることができました。松長さんの説明はとても丁寧で分かりやすく、お客様との取り引きの際の様子が容易に想像できました。
個人的に未来年表講座を受講した幹部社員の方の感想を聞いてみたいと思っていたので、今回お聞きすることができ、経営者と従業員間での対話の重要性を改めて感じました。
松長さん
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
(訪問日:2024年8月6日 文:事務局 岡本/写真:事務局 岡本・澤田)